人生100年時代・AI時代に訪れる働き方・学び方・生き方の変化

この記事では、変化の激しい現代においてこれからの働き方・学び方・生き方がどのように変化するかを解説しています。
「100年時代って何なの?」「将来が不安だ・・・」などの疑問を持つ方にオススメです。
先に結論です。
100年時代・AI時代に起きる変化
- 転職が当たり前になり、会社に依存しない働き方が増える
- 「学び続ける人」「自ら学ぶ人」が成功する時代になる
- ワークライフバランスが超重要になる
本記事では、まず「100年時代(長寿化)」やなどの影響を解説したあと、3つの変化(生き方・働き方・学び方)について解説します。
長文なので、興味のある所から読んでください。
人生に影響を与える社会の変化とは
社会の変化は個人の人生やキャリアに大きく影響します。
世界的ベストセラーである「WORK SHIFT」によると、様々な変化が複雑に絡み合い、個人の人生に影響を与えるとされます。
例えば次のような変化が考えられます。
- 長寿化(100年時代)
- AIなどの技術革新
- グローバル化
- 情報化
- 少子高齢化と人口減
- 消費行動の変化
- 環境とエネルギー問題
- その他(戦争・新型コロナウイルス感染症など)
(大きな経済危機・社会変化がいつか起こると予想している人はたくさんいましたが、まさか感染症だとは驚きですよね・・・)
ここでは、特に影響の大きい「1.長寿化」「2.AIなどの技術革新」について解説します。
長寿化:今の高校生は100歳まで生きるのが当たり前
世界的ベストセラー「LIFE SHIFT」によると、これからは寿命がどんどん伸び、2007年生まれの日本人の半数が106歳まで生きると試算しています。

106歳・・それはやばい・・・
もちろんこの予測は、過去のデータをもとに数学的に予想しているだけです。正確なものではありませんが、これからの若者は100歳まで生きるというシナリオを当然のように持っておくべきでしょう。
そして、寿命が伸びるということは、人の職業人生(=働く時間)も長くなります。
これまでは65歳くらいまで働くのが平均的でしたが、今後は80歳くらいまで働くのが普通になるかもしれません。
2019年6月に、いわゆる「70歳定年法」が閣議決定されました。つまり、現時点で定年はだいたい65~70歳くらいと考えて良いです。
今の高校生が70歳になるのは50年以上先の2070年代です。さらに定年が伸びる可能性は十分に考えられますね。
となると、今の若者は何年間働くのでしょうか?

仮に20歳で就職して80歳で引退すると、職業人生は60年間です。
ちょっとめまいがするような長さですね・・・
もちろん、あくまで仮の話ですけどね。でも、106歳(女性は109歳)まで生きるとしたら、老後は約30年もありますよ。
となると、90歳を超えても働く人もザラにいそうですよね。
今の若者は、「60年働き、100年生きるのがスタンダードになる」と考えても良いでしょう。
AIが仕事を奪う
イギリスのオックスフォード大学や野村総合研究所は、「AIによって人がやっていた仕事が機械に置き換わる」と予想しています。
これは歴史から明らかです。かつての産業革命でも、自動化・機械化によって多くの仕事が無くなりました。
長い目で見れば、多くの仕事が無くなるのは避けられません。問題は、そうした世の中で私達がどう生きるのか?ということです。
ポイントは当然、AIや機械に代替されにくい人材になることです。
つまり、AIや機械で自動化できるような作業ではなく、AIや機械にはできないスキルや能力を身に着ける必要があるのです。
どう学ぶかについて上手く解説してくれているのが、次の「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」です。オススメの本ですのでぜひ読んでみてください。
これからの「働き方」の変化とは
それではまず、働き方の変化です。
転職が当たり前に
「働き方」の変化でまず思いつくのが、転職が当たり前になるということです。
さきほど、職業人生が60年と長くなっていると説明しましたが、そもそも60年も1つの会社で働き続ける「終身雇用」は可能なのでしょうか?
まあ、無理ゲーですよね(笑)
まず、企業の寿命はどんどん短くなっていること。2018年の東京商工リサーチによると倒産企業の平均寿命は24年程度です。
また、従業員が一つの会社で勤める年数の平均値を「平均勤続年数」と呼びます。2018年の厚生労働省賃金統計調査によれば、この数値は約12年です。
「12年の平均勤続年数<60年の職業人生」
いやー、終身雇用、全然無理ですね!(笑)
これからは1つの会社に60年間勤め続ける「終身雇用」ではなく、転職が当たり前になるってことです。

ちなみに、今の時点で終身雇用の人ってどれくらいいるの?
現時点では、終身雇用を歩む人は男性で32%、女性はたったの13%。ぶっちゃけほとんどいないです。つまり、既にほとんど崩壊してるんですよね。
会社に依存しない働き方が増える
企業は従業員を一生雇うことができなくなり、従業員も1つの企業に一生留まることができなくなります。
そうなると、企業と従業員の間の関係性は弱くなりますよね。雇用関係が薄くなるってこと。
みなさんの周りに、こんなおじさんいませんか?

昔は残業だって休日出勤だって接待ゴルフだってやった。会社に尽くす。自分や家庭を犠牲にするなんて当たり前の時代だったんだよ。
確かに昔はそういう時代だったかもしれません。しかし、昔は雇用の保障・出世・退職金などの見返りがありました。
しかし、今の時代は出世しにくい・退職金はないなんてザラ。もちろん転職の面倒なんて見るわけありません。
正社員はまだましです。しかし、労働者の37%は非正規雇用です。(2017年総務省労働力調査)
派遣や非正規労働者が不利な扱いを受けるのを、私はたくさん見てきました。
まぁそんな感じで、「会社に依存する」人は減ります。
そして、会社に依存しない柔軟な働き方が増えます。
こんな感じですね。
- 「次はあの仕事をやってみよう」⇨転職
- 「本業とは別にあの仕事もやろう」⇨副業
- 「2つ以上の仕事を同時にやっちゃえ」⇨複業・兼業
- 「会社に縛られず働こう」⇨フリーランス・独立
- 「自分で仕事はじめちゃえ」⇨起業
特に今は、インターネットビジネスなどで低リスクで簡単に仕事を始められる時代になりました。こういう人、増えましたね~。
近年、多くの企業が副業を解禁しているのも、このような時代背景に影響されているのですね。
市場価値を高めた人が有利に
「転職が当たり前」「会社に依存しない働き方をする」ということは、これまでよりも個人の市場価値が大切になるということです。

どこでも通用する人になれってことね!
これは終身雇用よりさらに厳しい生き方です。
能力のある人は有利です。一方で、転職や副業の市場で生き残れない人は苦しくなります。
よくニュースなどで「稼げる人と稼げない人の格差が広がる」と話題になるのはそういうことです。
AIなどで自動化・機械化が進めば、この状況にさらに追い風となります。
ですから、これからは労働市場における「市場価値」を高める戦略が重要になります。
プロティアン・キャリア理論
この働き方の変化をうまくまとめた理論が、「プロティアン・キャリア」という理論です。
「変化の激しい時代の働き方戦略」を解説した21世紀のキャリア理論と考えてください。興味のある人はこちらの記事へ。
これからの「学び方」の変化
新時代では、働き方だけではなく「学び方」も変わるんです。解説します。
学び続ける人が成功する
職業人生が60年と長くなったのに対して、社会の変化はどんどん早くなっています。
この変化に対応するため、私達は知識やスキルを進化(アップデート)させていく必要があります。

確かに、学生時代に身につけた知識やスキルだけでずっと勝負するって、ちょっと無理があるね・・
そこで注目されているのが、社会人の学び直しや生涯学習(リカレント教育)です。
社会人になってから大学などの教育機関に入学する、資格を取るという人が増えるでしょう。
また、今の時代は書籍やインターネット、社会人向けセミナーなどでも簡単に学ぶことができますね。
これまでも、「社会人で本や新聞を読まないやつはやばい」と言われてきましたが、それがさらに加速します。
学び続ける人が成功する。そんな時代がやってくるでしょう。
社会人はマジで勉強しない
くわしくは以下の記事で解説していますが、実は日本人って社会人になると驚くほど勉強をしないんです。
社会人の1日の勉強時間はわずか6分というのだから驚きです。
とにかく日本人は「自ら学ぶ」ことができていません。ですから、自ら学ぶ人は成功しやすい環境なんです。
学生であれば、「受け身で学ぶ」よりも「積極的・主体的に学ぶ」ことを意識して日々を過ごして欲しいです!
「どこで学ぶか(学歴)+何を学ぶか」の両方が大事
これからは、①どこで学ぶか(=学歴)に加え、②何を学ぶかも重要になります。

「①学歴」って今も重要なの?
という疑問を抱く若者はたくさんいると思います。
高卒就職・大卒就職の両方を支援してきた筆者からすれば、学歴は確かに重要です。
高卒と大卒では、職種も就職のチャンスも明らかに違います。大卒では偏差値の高い大学・有名大学ほど明らかに良い就職結果を残しています。これは動かぬ真実です。
しかし、それは新卒で就職する場合のみ。転職で重視されるのは学歴よりも圧倒的に「職歴」です。
例え一流大学を卒業したとしても、ニートになったら学歴の優位性はほぼゼロですからね(笑)
ただ、昔ほど学歴に価値がないのは事実です。
1つ目の理由が大学進学率の増加。この60年間で進学率が5倍以上になって、今では大学生で溢れていますからね。
2つ目の理由が終身雇用が終わったこと。転職が当たり前の時代では、学歴だけでは戦えません。
ですから、「どこの大学を出たか」だけでなく、「あなたは何ができるのか」が問われます。つまり、②何を学ぶかが重要なのです。
高校生で進学を考えている人は、「どこで学ぶか(=学歴)」と「何を学ぶか」の両方を考えましょう。
これからの「生き方」の変化
それでは最後に「生き方」の変化の解説です。
「仕事だけ」の生き方はつらい
これからは60年くらい働く時代です。
60年間も「仕事だけ」で生きていけますか?
まぁ私はたぶん無理です(笑)
遊びたい!休みたい!家族と過ごしたい!そんな気持ちになります。
ですから、自由な余暇の時間、家族や友人と過ごす時間などがもっともっと大事になるんです。
さきほど言ったように学習に時間を割くことも大事ですね。
つまり、「仕事だけでなく学習や余暇・人間関係を含めたワーク・ライフ・バランスが超重要!」ってことです。
「WORK SHIFT」「LIFE SHIFT」の2冊では、漫然と仕事だけで生きる人生が悲惨な結果を生むと警告しています。
バランスの良い幸せな人生を送りたいものですね!
ライフ・キャリア理論
この100年時代にどうワークライフバランスを持って生きるかを示したのが、ライフ・キャリア理論です。
こちらで詳しく解説してますので、興味のある人はどうぞ。
まとめ
本記事では、キャリアに影響を与える要因を考察し、これからの働き方・学び方・生き方の変化について述べました。
これからの進路選択・キャリアに影響を与える要因
- 「長寿化」によって若者の寿命は100歳を超え、60年近く働くことが普通になる
- 「AIなどの技術革新」によって多くの仕事が代替される
キャリアに起きる3つの変化
- 「働き方」の変化:①転職が当たり前に、②会社に依存しない働き方が増える、③市場価値を高めることが重要になる
- 「学び方」の変化:①学び続ける人が勝つ、②自ら学ぶ人が勝つ、③どこで学ぶか+何を学ぶかの両方が大切
- 「生き方」の変化:仕事だけでなく学習や余暇・人間関係を含めたワーク・ライフ・バランスが超重要!
- 2つのキャリア理論を紹介①プロティアン・キャリア、②ライフ・キャリア
長文になりましたが以上です。
ぜひ別記事もご覧ください。