【速報】OpenAIから待望の新機能「エージェントビルダー」で自分専用のAIワークフローを作ってみた!(ChatGPT、Agent Builder、DevDey 2025より)

2025年10月7日(日本時間)、OpenAIが開発者向けのイベント「OpenAI Devdey」で、AIワークフローを構築できる「エージェントビルダー(Agent Builder)」を公開しました!Difyやn8nのようなAIワークフローを、ノーコードで直観的に構築可能なので、実際に触って実演します。
▼文字起こし
はい、おはようございます。AIキャンプの中村俊也です。今回ついにOpenAIからこのようなAIワークフローを構築できる「エージェントビルダー」というものが公開されました。こちらは実際に触りながら皆さんに使用感をお届けしたいなと思います。本日2025年10月7日(日本時間)、OpenAIが開発者向けイベント「OpenAI DevDay」で様々な情報を発表しました。OpenAIの公式サイトを見ると、現在発表の情報が掲載されています。詳細はこちらのページから見ることができ、なんかカエルがハエを食べてて面白いんですけど、こんなことが発表されていますね。ChatGPTの週間アクティブユーザーが8億人を突破したということで、非常にChatGPTが盛り上がっているわけなんですけど、そこに新しい機能がリリースされました。ChatGPT上で他のアプリを操作できるような機能であったり、話題の動画生成AI Sora 2のAPIでの利用ができるといった、他にも色々なニュースが出てきているわけですが、今回非常に注目されているのが「エージェントキット」というAIワークフローを構築できる機能になります。一応発表内容を紹介しておくと、1つ目がAIエージェントを構築できる「エージェントビルダー」を公開したということです。知っている方はDifyとかN8NのようなAIワークフローをノーコードで直感的に構築できるツールがあるんですけど、それと同じようなものがついにOpenAI公式から発表されたということで、今回はこれが非常に熱いので紹介していきます。2つ目として、新しい機能「Apps in ChatGPT」ということで、ChatGPTからCanvaなどのアプリケーションを操作することができるようになったり、独自に開発したりすることができます(実際にこれを試しましたが、全くうまくいかないので今回は割愛します)。さらに、Sora 2をはじめとして、GPT-5 Pro、そして新しい音声APIなども公開されたので、この辺りが面白いと思います。詳細のまとめは他の方に任せて、私は1つ目のエージェントビルダーを実際に触って紹介していきたいと思います。エージェントビルダーというのは、Difyなどを触ったことがある方は分かると思いますが、ブロックでAIなどの機能をつないだり、分岐させて会話させたりするツールになります。実際にこれをやりながら紹介していきます。まず初めにデモとして、私が作成した「猫っぽく答えてくれるAI」を実際に動かしてみようと思います。どのような感じで使うかというと、基本的にはChatGPTと同じで、何か聞いてみましょうか。何でもいいのですが、今回は「タンパク質って何?」と聞いてみたいと思います。するとスタートし、このエージェントGPTがタンパク質について猫っぽく答えてくれるはずです。「にゃーん、タンパク質ってね、なんとかなものにゃ」という感じで、ちゃんと猫っぽく回答を出してくれました。このように独自のChatGPTを構築することができます。これがエージェントビルダーというものです。もう少し活用イメージを紹介しておくと、「猫っぽく答えてください」のようなChatGPT単体でもできることはもちろんですが、このエージェントビルダーはさらに高度なカスタムAIワークフローを作ることができます。例えば、1回目のAIに回答させた後に、さらに2段階でAIに回答させることもできますし、ここからIf/Elseという分岐ブロックのようなものを使って、条件によって分岐させることもできますね。ここにMCPといって他のアプリと連携させる機能があるのですが、例えばGmailの情報をここで取得した内容に対してAIに回答させることもできますし、ガードレールという機能もあり、悪意のあるプロンプトをブロックしたり、ハルシネーション(誤情報)がないかをチェックしたりと、様々な高度な機能を実装することができます。これがエージェントビルダーというものです。皆さん、イメージは湧きましたでしょうか?では、実際に1からやっていきますのでよろしくお願いします。まず検索で「OpenAI Playground」と検索してください。これは、ChatGPTなどを使うための開発者向けのサイトになりますので、こちらからエージェントビルダーを構築します。Playgroundにまずログインしてくださいという画面が出てきますので、私の場合はChatGPTと同じGoogleアカウントでログインしていますので、まず皆さんも同じアカウントでログインしてみてください。ログインが完了したら、右上の「ダッシュボード」を押していただくと、チャット機能で色々なチャットを試すことができますが、今回は「エージェントビルダー」という画面を押すと、ここからエージェントを自分で作ることができます。翻訳すれば日本語で読めますので比較的簡単だと思いますが、日本語がバグってしまうので、今回は英語で進めていきます。残念ながら、初めて利用する方は「Payment method」、つまり支払い方法を設定してくださいという画面が出てきます。実はこちらのOpenAI PlaygroundはAPI設定をしていて、クレジットカードでAPI課金の設定をしていくことが必要になります。APIの設定方法については、この動画で紹介していますので設定をしてください。API設定が終わったと仮定して、ここから実際に作っていきます。作り方としては、全く白紙の状態から作るパターンと、用意されているテンプレート(現在6個しかありませんが)から作っていく方法があります。今回は全くのゼロから作っていきたいと思います。まず基本ブロックとして、スタートブロックと「マイエージェント」というエージェントブロックがあります。これはユーザーがテキストを入力すると、それに対してAIが回答するという、通常のChatGPTと同じことをここでやっています。まずエージェントブロックに「ネコ」と名前をつけ、練習として「猫っぽく答えてください」と入力しました。すると、ユーザーがここで質問をすると、その質問がエージェント(AI)に渡り、猫っぽく回答を出してくれます。この辺りは少し難しいのですが、モデルを色々選択することができ、標準のGPT-5の他に、高機能なGPT-5 Pro、そしてMiniやNano、古いモデルなども使用できます。GPT-5や特にGPT-5 Proは非常に高額なので、最初はMiniやNanoのような安価なモデルを使用してください。なお、MiniやNanoはGPT-5に比べて性能が劣りますのでご注意ください。「Reasoning effort」というのは、どれだけ推論させるかというものですが、今回は簡単なものなので、そこまで推論させる必要はないと思います。ここまでの設定ができたところで、一度プレビューしてみましょう。ここに何でもいいので質問をして、猫っぽく答えてくれるか聞いてみます。「こんにちは」と入力しました。「こんにちはにゃ!今日はどんなご用件かにゃ」という感じで、ちゃんと猫っぽく回答してくれました。いいですね、こんな感じで独自のChatGPTができたということです。では、これを複雑にしていく前に公開をしていきます。右上の「Publish」(公開)ボタンを押すと、公開しますかという画面が出てきますので、今回は「テストの2」という名前で、作成日を書いておくと分かりやすいと思いますので、テストのAIエージェントを作ったという感じで公開します。すると、この公開されたIDなどを使って、Webサイトに埋め込んだり、他のチャットで使ったりできるそうです(エラーが出ましたが、今回は実装が難しくなるので、これで保存ができたということにします)。では、このエージェントをもうちょっと複雑にしていきます。このエージェントビルダーがChatGPTより優れている1つのポイントは、この「ツール」というところからWeb検索機能を搭載できることです。これはそのままでいいのですが、日本語に訳します。設定しなくてもいいのですが、私は日本の静岡県静岡市葵区という場所に設定しています。検索時に、おそらくこの位置情報をもとに色々やってくれるんじゃないかと思います。「ネコ」のAIエージェントブロックに検索機能が搭載され、パワーアップしました。実際にできるか試すために、質問してみましょう。「今日の天気を教えてください」と入力しました。この質問だと検索がかかるはずです。今考えてくれています。検索をかけると「Webを検索した」ということで、天気、日本、静岡県、静岡市、葵区というところで情報を検索して表示してくれました。Web検索機能はちゃんと実行されていますね。もう一度やってみましょうか。「AIキャンプ 株式会社ラーニングライトについて調べて」と入力しました。すると、推論をかけてくれています。AIキャンプ、株式会社ラーニングライトと検索して回答してくれました。AIキャンプ運営会社・株式会社ラーニングライトについて調べています、と。AIキャンプではChatGPTの研修を静岡市を拠点に代表の中村俊也がやっているということでした。いいですね、しっかりと検索ができていますし、私たちのWebサイトだけでなく、他のページなどもいくつか調べてくれたようです。先ほどの検索結果が少し不十分だったので、もう少し検索パワーを上げていきます。このエージェントビルダーがChatGPTより優れている点の1つは、モデルを切り替えたり、Reasoning effort(推論のパワー)などを変えることができる点です。先ほどはLowでしたが、今回はMediumということで、考える力を少し強めた状態で、もう一度同じ質問をしてみます。「AIキャンプ 株式会社ラーニングライトについて調べて」という質問を同じようにしてみます。すると、会社名だけでなく、会社概要や代表である中村俊也さんの情報など、検索の切り口が先ほどより広がっているのが分かります。日経新聞で紹介された静岡のしずおか焼津信用金庫さんと一緒にやったAIハッカソンのニュースなどもリサーチしてくれましたので、推論のパワーを上げることで、より広い範囲で深く検索してくれていることが分かります。私たちの会社情報なども、しっかり出すことができています。開発者向けにすると、この細かいパラメータや色々なものを調整することができます。また、変更した状態で右上のPublishで公開すると、新しいバージョンで保存することができますが、以前のバージョンに戻すこともできるので、バージョン管理ができるのは開発者にとって非常に嬉しい機能です。では、できるか分からないですが、いくつかやってみようと思います。「以下のサイトでWeb検索を実行して回答してください」ということで、AIキャンプのウェブセミナー募集ページの情報だけを検索して回答するように指示を与えてみました。ちゃんとやってくれるか試してみましょうか。「11月にセミナーはありますか」と聞いてみます。いいですね、ちゃんと「11月にオンラインセミナーが予定されています。11月26日(火)14:00~15:30にAI情報アップデート勉強会(重要情報のみ掲載)という案内が出ています。参加方法はZoom、参加費は5,000円(卒業生は無料)です。」と出てきていますので、素晴らしいです。ここから先は難しくなるので、実際のテンプレートを見に行ってみようと思います。日本語にすると「顧客サービス、カスタムポリシーでお客様の問い合わせを解決する」というテンプレートがあります。このテンプレートは分かりやすいですね。まず、ユーザーが質問した場合、悪意のある攻撃的なプロンプトがあった場合はここで弾きます。安全だった場合は、ユーザーの質問を分類し、ユーザーの質問に対して返品かキャンセルかなどと質問を分解して、回答を促していく、という一般的な顧客対応チャットボットがこれで実装できています。今回は速報なので、この辺りの解説はこのぐらいにしようと思いますが、OpenAIのエージェントビルダーを使えば、このような独自のAIワークフローを構築できるということで、非常に注目される機能になってくると思います。しかし、私個人としてはそこまで面白いとは思いませんでした。例えば、ここで使えるモデルがGPTだけに限定されているのですが、DifyなどではGoogleのGeminiやAnthropicのClaudeなど、様々なモデルを選択できます。また、音声の生成や議事録の作成など、より柔軟で高度な機能がDifyの方がはるかに多くできます。正直なところ、現状Difyなどに比べると見劣りすると思います。結論として、OpenAIのこのワークフローを焦って触る必要はないかなと思います。現状では、DifyやN8Nといったツールが有名ですので、この辺りでAIワークフローの構築に慣れていただくと、今のエージェントビルダーの話もよく理解できると思います。ChatGPTなどで慣れていただいた後に、このようなワークフロー構築ツールも触って慣れていただくと、非常に面白いと思います。私個人としては、こうしたワークフローの構築はかなり難易度が高くなるので、最初は初心者の方向けに、ChatGPTに独自のカスタムAIを構築する機能である「My GPTs」を試すことをお勧めします。私たちのAIキャンプでも、AIあおいさんというキャラクターを作っていますので、ChatGPT上でカスタムAIを構築するところから始めていただくと、非常に分かりやすいと思います。ワンランク上を目指したい方は、OpenAIのツールに限らず、Difyのようなツールなども活用していただくと、非常に面白いと思います。この辺りはYouTubeなどでもたくさん公開していますので、ぜひAIキャンプのYouTubeチャンネルも見ていただけると嬉しいです。というわけで、今回は速報としてOpenAI DevDayでのエージェントビルダーについて紹介しました。ぜひ参考にしていただければ幸いです。


