【プロが解説】生成AIを使った「起業・新規事業開発」実践ハンズオン(前編)

今回は、生成AIを使った「起業」「新規事業開発」のやり方について、実践形式のハンズオンで解説します!これまでに800個以上のビジネスプランを支援した「元創業コンサル×現AI講師」の中村が、自身の経験を踏まえ、ビジネス創出とAI活用のノウハウをお伝えします。
全2回の動画でお届けします。
※静岡県のイノベーション拠点「SHIP静岡」で開催される「SHIP AI Business Academy」にて、AIキャンプ代表の中村が講師を務めました。この動画では、その一部を紹介しています。
▼目次
0:00 はじめに
0:35 AI×新規事業の使いどころ
2:01 AI×新規事業①アイデア出し
2:50 AI×新規事業②出力を指定したアイデア出し
3:54 AI×新規事業③事業のブラッシュアップ
5:21 AIに与えるべき情報とは?
9:45 AI×新規事業④コンテキストの追加
11:35 AI×新規事業⑤ペルソナ作成+画像生成
13:51 バーニングニーズに訴求しよう
▼文字起こし
AIを使って新規事業開発ってどうやるの?ってやつを紹介させていただこうと思います。闇雲にAI使っても、これ全然ダメです。しょぼいアイデアにAI掛け算しても、ゴミがいっぱいできるだけなので、やっぱちゃんと正しい使い方をして、この強力なAIと掛け算することで、ものすごい強力になります。ぜひ、そもそも新規事業って何かっていうものをしっかりと理解しておきながら、それを理解した上でAIの活用に進んでいただきたいなと思います。では、新規事業とAIをどうやってやればいいんだってところで、アイデア出し、あとは事業の言語化、ブラッシュアップですね。壁打ち、あとはいろんな資料の高速作成。これね、起業するとにかく手が足りないので、申請書とかホームページ作ったり、SNS使ったりとかもやってらんないんで、もう起業する人でAI使わないってありえないぐらい便利ですね。あと市場リサーチとかですね。特に競合というより、皆さんの場合は見本となる先行事例を調べてもらうのがすごく重要ですね。で、コツはちょっとお話ししておこうと思います。基本的にAIが100点満点の回答を一発で出すってことは、特に新規事業の領域だとまずないかなと思いますので、何度も壁打ちしていただいて修正してもらう。で、できればAIの回答の中から皆さんがいいものを選ぶっていう、この使い方をしていってください。あくまで判断基準は皆さんということですね。で、後でちょっと体験していただきますけど、データを追加していくことが非常に重要。あと新規事業っていろんなフレームワークというものがあるので、リーンキャンバスとか、カスタマージャーニーとか、こういうものを使えるときは使っていただくと、もう確立された手段がありますので、やっていくといいかなと思います。じゃあ皆さん、アイデア出しをやっていきましょうか。「あなたは新規事業開発のプロです」。これはもう最近なくてもよくなってますね。「以下のテーマで新規事業のアイデアを3つ挙げて」という、一番シンプルなアイデア出しをしていきましょう。ここに書くのはこのぐらいシンプルでもいいですし、2行とか5行とか書いていただいても大丈夫です。これをChatGPTとかGeminiとか、何でも構いませんので貼り付けて実行してみてください。はい、よろしいでしょうか?とりあえずこれ、ちょっと慣らしでしたけど、アイデア出しですね。皆さん大丈夫でしょうか?AIってすごいクリエイティブなのでいろんなアイデアが出てきますけど、それが実際に使えるかどうかっていうところは、また別の話なので、ちょっと一旦いいにしようかなと思います。じゃあ皆さん、次行きましょう。ワーク2番です。ちょっとプロンプトいきなり複雑になりますけど、まずプロンプトの基礎テクニックですね。出力形式とか見本の指定をしてあげましょうということです。プロンプト見てください。「新規事業のアイデアを3つ挙げて」で、皆さんこのやり方覚えてください。「出力形式」ってやって、「事業名」「ターゲット」「事業概要」のここを空欄にしてください。そうすると、ここスポスポスポって埋めてくれますので、空欄のままで大丈夫です。さらに見本みたいなのを与えてあげると、「このぐらいの文章量とかトーンで書けばいいんだな」っていうのを学習しますので、先ほどとはちょっと違う回答が出てくるかなと思います。ではコピーして貼り付けてみましょう。今の出力形式になってるかどうかを確認してください。「事業名」「ターゲット」「概要」になってるかを確認してください。で、皆さんここからね、アイデア出しを今紹介したんですけど、一発でこのアイデアが使えることはないので、皆さん次ですね、壁打ち、あるいはブラッシュアップをしてほしいなと思います。例えば皆さん、このチャットに続けて、「このアイデアがいいね」とか、「この案についてもっと詳しくして」とかを打ってあげてください。で、皆さんここがね、まず一つ目の壁になります。そのツッコミをどれだけ的確に入れられるかが結構勝負で、経験がない人だと何を言っていいか分かんなくなると思うんですけど、これね、慣れてる人だと「いや、このビジネスはこれじゃダメだから、こういうふうにやろう」っていうのを、どれだけ的確に入れられるかが勝負です。例えばこれ私の場合なんですけど、ちょっと中身見てないですけど、例えばですね。「いや、このビジネスプランだとやっぱちょっと単価が低すぎて、ビジネスとして弱すぎるので、顧客ターゲットをBtoB、対法人にして、できるだけ単価を上げるような、そんな切り口のビジネスモデルに変えて、もう一度練り直してください」。例えばこういうプロンプト。BtoCだと単価が低くなるのでBtoBに変えてくれ、みたいな、こういうツッコミをどれだけ入れられるか結構大事ですね。いわゆる的確なものを、皆さんもちょっとやってみてください。1個ぐらい。はい。じゃあありがとうございます。じゃあね、ちょっと皆さん一緒に考えていきたいなと思うんですけど、AIは今、抜群に頭いいです。もう東大に首席で受かるぐらい頭いいんですけど、一つ弱点があって、AIと皆さんは基本的に初対面です。だから基本的に会話が噛み合わないんですよ。そりゃそうですよね。「あなた誰ですか?」とか、「あなた今何考えてんの?」っていう、その情報が足りないので、AIにこの情報をちゃんと入れてあげなきゃいけないんですよね。つまりAIじゃ答えられない情報はこちらがちゃんと与えないと、このAIがいい回答を作ってくれないわけです。分かりますか?いくら会社にアインシュタインとかスティーブ・ジョブズみたいな超天才がやってきたとしても、自分たちの会社の仕事のやり方を教えなければ動けないわけですよね。なので入れなきゃいけないです。じゃあちょっと班の中で考えてほしいんですけど、「これは絶対に入れなきゃいけないよね」ってものを、単語レベルで構いませんので、AIに「この情報は絶対なきゃいけない」ってものを、できれば5個ぐらい考えてみてください。はい。1分でやってください。どうぞ。お願いします。はい。今、現場の情報出ましたね。他には?そうだ。もしかしたら普段使ってるClaudeにはもういろいろ情報入ってるかもしんないですけど、もし何も入ってないとしたら。今いいご質問いただいたんですけど、皆さんのAIチャットって、ある程度皆さんの情報もう入っちゃってると思うんですけど、何にもない、もうプレーンなAIだと思ってください。本当に完全初対面だと思ってください。そうすると皆さんの情報必要ですよね。はい、ありがとうございます。で、皆さん、ぜひあと二つは絶対出てほしかったんですけど、まずAIに入れるべきもの、これナンバーワンはですね、お客さんの声ですね。分かります?お客様のニーズを入れないと絶対無理ですね、これは。インタビューのデータとか、こういうことに悩んでるとか、そういうことですね。あとは、これね、自分たちの情報もやっぱちゃんと与えるべきで、こういうの経営資源って言うんですよ。すんごい久しぶりに文字を書くので、僕ちょっと、すげえ震えるんですけど、具体的には人、モノ、金、情報ですね。特に自社の経営資源とお客様の声は、入れないといいビジネスにならないんですよ。だからAIがさっきいろんなアイデアを出してくれたじゃないですか。ただ、そこには「いや、うちはIT企業だからITのアプリ開発とかが強いんだ」とかって、そう言ってあげないと当然わけ分かんないの出てくるわけですよね。あるいは、高齢者の生活支援っていうところでも、「いや、お客さんは買い物に行けなくて困ってるんだよ」っていうのを入れてあげないと、わけ分かんないアドバイスが出てくるので、やっぱこの辺は絶対必要かなと思います。あとはね、AIができないものとしては、自分たちのモチベーションか、どこにやる気があるかとか、そうですよね。皆さんやるんだったら、情熱を注げるビジネスがやりたいと思いますんで、自分がこれがやりたい、あるいはこれは絶対やりたくないとか。例えば私の場合だったら、AIを教えるのはやりたいけど、住宅開発はやらないよとかっていうね。これ決めていくこと大事です。あとはね、現場感というか、特にエリアのデータですね。商圏データとかって言いますけど、例えば静岡市の中に学習塾がどれだけあるとか、学童とかのクオリティがどれぐらいとかって、AIで検索してもまあヒットしないし、無理じゃないですか?そういう生々しいものって。これはちゃんと入れてあげないといけないので、例えば学習塾で言うと、「静岡市には圧倒的に学習塾が足りなくて、競合がすごい弱くて、すごい参入のチャンスがある」とか、「ラーメン屋があるんだけど、めちゃくちゃまずい」とかね。なんか分かんないですけど、そういうのってなかなかAIには分からないので、やっぱ教えてあげることが必要かなと思います。はい。で、それを実はですね、この背景情報の追加、「コンテキスト」って言います。AIの専門用語でコンテキスト。AI活用で一番重要なことは、ちゃんと正しい情報を伝えて会話するってこと。これがAIチャットだろうがエージェントだろうが全く一緒です。ちゃんと適切なデータを与えながら会話をしましょうということです。じゃあ実際にですね、どういうプロンプトになるの?っていうと、皆さんね、これなんですよ。これ見てください。「アイデアを3つ挙げて」で、「高齢者の生活支援」ってさっきやったじゃないですか。で、ここ見てください。ここ、自社の経営資源。ちょっと読みますよ。「IT企業でアプリ開発が得意ですよ」。で、ここ見てください。「地元スーパー4店舗とのつながりがもうあります」とかね。あとは「高齢化率が高くてバスの本数が少ない」。これ見てください。「将来的にバスの廃止も検討されています」と。で、これですね。「膝が悪くて買い物に行けない」「車がない」「いつも娘に頼るのが申し訳ない」「雨の日が特に買い物が大変だ」とか。あと「今さら引っ越せない」とかね。そういうのありますよね。で、こういうのもいいですね。「チームメンバーの高齢の母が日頃から買い物に苦しんでいる姿を見て、それを助けたいと思った」みたいなね。こういうきっかけみたいなのももちろん大事かなと思います。あんまり自分一人よがりなのはいけないですけど、ちゃんとこれは、母が悩んでるっていうのを見たところから入ってる、顧客視点から入ってるので、こういうのは素晴らしいですね。はい。あとは「初期予算200万」で、高齢者サービスをやるんだけど、「訪問介護とか医療行為はやらない」っていうのを自分たちのルールにするとかね。こういうのはすごい大事ですね。次、ペルソナ作成。これちょっと面白いのでやってみましょうか。ペルソナっていうのは、自分たちの顧客ターゲットを本命の一人まで絞っていった、その顔が浮かぶぐらい解像度を高めた像のこと、想定顧客像のことをペルソナと言います。「本事業のペルソナを4人作成してください」としています。今回はこの「フィットネスモービル」という架空の事業についてペルソナを作って、と指示を出してみましょうか。これはね、社内でディスカッションするときの架空のペルソナを挙げてるやつで、ちゃんとうまくいくと、「佐藤さん、78歳」とか、こう出てきますので、皆さんちょっと出してみてください。じゃあ皆さん、4人ペルソナが出てくると思います。で、ちょっと遊びのワークも1個ぐらいやっておこうかなと思います。GPTとかGeminiを使ってる人は画像生成がそのモデルの中で使えますので、これを画像生成するようなプロンプトを用意しています。「この4人について、ペルソナ画像を作成してください」ということで、Gemini、ChatGPT、Copilotあたりは画像生成が走って、この4人のペルソナ像を図にしてくれますので、ちょっとやってみましょうか。ちなみに覚えなくていいですけど、今のモデルはGeminiはNano Banana Liteというね、もうめちゃくちゃ速いモデルが走りますね。で、GPTはGPT Image 2。特にThinkingだとGPT Image 2 Thinkingっていう、もう最強ぶっちぎりモデルがありますので、すっごい時間かかるんですけど、めちゃくちゃいいのができるのがGPTです。どちらも素晴らしいですね。一昔前に比べると日本語も書けるようになりましたし。で、ここでの使い方は、これを展示するというよりも、これを見ながらチームメンバーと一緒に「うん、うちのペルソナってどの人かな」とか言って、「いや、佐藤さんかな」「いや、なんとかだから小林さんかな」みたいな感じで、ディスカッションの材料にしてもらうとかね。そんな感じになりますので、このレベルでも十分可能かなと思います。大事なのはこれなんですよね。このペルソナを考えるときに、一つちょっと専門的な知識を仕込んでいるんですけど、これですね。悩みとか欲求があるじゃないですか。で、それに対して解決策を出させています。これちょっと覚えてほしいんですけど、実はですね、ニーズとかお困りごとって言っても、深さが全然違います。例えばレベル1が「あったらいいな」レベル。ちょっと困ってるけど、まあなくてもいいかなみたいな。ちょい悩み、みたいな、ちょい悩んでるみたいな人がレベル1だと思ってください。で、これがレベル3とかレベル5とかあるんですけど、簡単に言うと、悩みが深くなってくると必ずここに対して対策をするんですよ。分かります?例えば腰が痛いんだったら、我慢できるんだったら放っとくじゃないですか。ただ、我慢できなくなる人っていうのは、湿布貼るとか、何かしらの解決策、お金とか時間をここで投じるはずなんですね。悩みが深刻だから。でも湿布貼りました。だけどもうめちゃくちゃ痛くて超つらい、みたいになると、悩みのレベルが深くなるんですね。仮にレベル2ってしますけど、ここ、めちゃくちゃ強い悩みです。なので、ちょい悩みじゃなくて、ビジネスをやるなら必ず強い悩みに訴求してください。ここじゃないとビジネスになりません。ここ無視してください。分かりますか?このAI研修とかもそうなんですよ。「AI研修、ちょっと勉強したいです。だけどセミナー行くのめんどくさい。お金払うの嫌だな」って人は、別に真剣じゃないんですよ。じゃなくて、「中村さん、私はもう夜でも、今日も皆さん来ていただいてますけど、時間を割いてでも学びたい」とか、「お金を払ってでも学びたい」って人たちは強いニーズがあるんですよ。ここに対して皆さんビジネスやってください。「あったらいいな」は仕事にならないです。お金が発生しないです。必ずこっちにやってください。で、専門用語でこれね、聞いたことあります?「バーニングニーズ」って言うんですけど、バーニングニーズっていうのは頭が燃えてるって意味です。今日、皆さん自分の頭に火つけたら「わー!」ってなるんですよね。もうここのことしか考えられなくなるぐらい緊急事態なわけですよね。で、バーニングニーズはもうめちゃくちゃビジネスになります。だってその人が、もう何が何でも解決しなきゃ、もう何も手がつかないぐらい本当に困ってるものをバーニングニーズって言って、実際そこまでは難しいんですけど、このぐらいお客さんの強い悩みに訴求することを考えてください。なので、単に悩みを挙げるだけじゃなくて、その悩みを解決するために何をしてますか?それでも解決できない未解決の強いニーズって何ですか?っていうところまで行けると、非常に強力なビジネスになりますので、ぜひ皆さん、このバーニングニーズっていうもの、あとは対策を取ってるか。これちょっとね、ビジネスの悩みの深さを検証するときの非常に基本的なフレームワークになりますので、ちょっと頭に入れておいてください。


