運用額500万円超のあなたに!安心ポートフォリオを組む3つの論点

リスクを下げる

運用額が大きくなってきたから、もっと安全な資産配分(ポートフォリオ)にした方が良いのかな?

こんな疑問に答えます。

運用額が大きくなると、暴落の恐怖も大きくなりますよね?

特に、株式100%でイケイケの運用をしている場合、暴落のダメージはかなりのもの。

そこで本記事では、運用額が大きい人でも、安心な運用ができる方法を3つの論点でお伝えします。

本手法は、運用額が500万円、あるいは1,000万円を超えたあたりから有効です。

「まだ投資は始めたばかり!」という人は、将来的に必要という気持ちで読んでくださいね。

この記事を書いている人

中村俊也

資産形成マスター講座 講師

中村俊也(なかむらとしや)

金融商品の販売をしない中立の立場から、生活費の削減方法や、長期的にお金を増やす方法を教えています。

論点1 債券を組み込んで投資効率を上げる

1つ目の論点は、株式に「債券」を組み込んで、投資効率を上げることです。

債券は投資効率(シャープレシオ)が高い!

実は、株式より債券の方が、投資の効率が高いのです。

投資効率のことをシャープレシオと呼び、

シャープレシオは「リターン÷リスク」で計算されます。

シャープレシオの数値が高いほど、リスクに対するリターンの値、つまり、投資効率が高いことを示しています。

例えば、こちらのデータを見てください。

過去20年のシャープレシオ一覧

  • 外国債券 0.53
  • 外国株  0.45
  • 日本債券 0.79
  • 日本株  0.30

2021年10月末データより

このデータを見ると、明らかに株式より債券の方が、投資効率が良いことが分かります。

特に日本の場合は凄まじく、圧倒的な効率の違いがありますね。

ですから、株式オンリーで投資をするより、債券を組み込みながら投資をする方が、

資産全体の投資効率がアップするのです。

債券を組み込んでリターンアップ!

では、具体的なポートフォリオで、債券投資の魅力を調べてみましょう。

仮に、1,000万円の資産があったとします。この時、

「現金+外国株」の2つで組んだポートフォリオAと、

「現金+外国株+日本債券」の3つで組んだポートフォリオBでは、

どちらの投資効率が良いでしょうか?

2つのポートフォリオを比較しよう

ポートフォリオA:現金500万円+外国株500万円

ポートフォリオB:現金180万円+外国株430万円+日本債券390万円

計算してみると、ポートフォリオAもBも、リターンは4.2%となりました。

一方で、リスク(ブレ幅)とシャープレシオ(投資効率)はどうでしょうか?

ポートフォリオAのリスクは9.3%、ポートフォリオBのリスクは8.7%

ポートフォリオAのシャープレシオは0.45、ポートフォリオBのシャープレシオは0.48でした。

確かに、債券を組み込むことで、投資のリスクが下がり、投資の効率がアップしていることが分かります。

どうでしょうか?

これが株式に債券を組み込む魅力です。

運用額が大きくなってリスクが怖くなってきたら、債券を組み込むことを考えてみてください。

債券投資のデメリット=運用額が高額になる

債券投資にも、デメリットがあります。

それは、運用額が高額になること。言い換えれば、「少額運用には不向き」ということです。

先ほどのポートフォリオの例で言えば、

ポートフォリオAの運用額が500万円だったのに対し、ポートフォリオBは820万円です。

リターンの小さな債券で運用する以上、金額を増やさないと、投資のパワーを保つことができないんですね。

ですから、債券投資は「少額投資」ではなく、「高額投資」と相性が良い手法と言えます。

「これから投資を始めたい!」

「つみたてNISAやiDeCoで少額運用したい」

こんな人は、債券投資はまだ不要です。

特に投資初心者の場合、多額の資金を運用する気にはならないでしょうから、まずは、外国株オンリーで投資をスタートしましょう。

金額が大きくなってきたら、債券を組み込むイメージを持ってください。

論点2 日本債券と外国債券の違いを知る

2つ目の論点は、日本債券と外国債券の違いを知ることです。

両者の違いを理解しておくと、より効果的な投資ができますよ。

効率なら日本債券

もう一度、こちらのデータをご覧ください。

過去20年のシャープレシオ一覧

  • 外国債券 0.53
  • 日本債券 0.79

2021年10月末データより

これを見ると分かるように、

外国債券より、日本債券の方が投資効率が高いことが分かりますね。

ですから、投資効率という観点で見れば、現状では「日本債券」に軍配が上がります。

リターンなら外国債券

しかし、リターンという観点なら、「外国債券」に軍配が上がります。

こちらのデータを見てください。

過去20年のリターン・リスク一覧

  • 外国株  リターン8.8% リスク18.6%
  • 外国債券 リターン4.6% リスク8.7% 
  • 日本債券 リターン1.5% リスク1.9%

2021年10月末データより

データを見ると明らかで、

  • 外国株  = ハイリスク・ハイリターン
  • 外国債券 = ミドルリスク・ミドルリターン
  • 日本債券 = ローリスク・ローリターン

となっています。

外国株中心で運用していた人が、いきなり外国株式を日本債券に置き換えると、リターンが急激に下がってしまいます。

リターンを維持するためには、その分だけたくさんの日本債券を買い付ければ良いのですが、金額が大きくなってしまうというデメリットもあります。

そこでおススメしたいのが、外国債券。

外国株と日本債券の間くらいのリターン・リスクがあるので、

外国債券は「ちょっとリスクを下げたい」という時に、扱いやすい資産なのです。

あまり難しく考えずに、外国株のリスクをちょっと下げたい時に、使ってみると良いでしょう。

暴落対策なら日本債券

暴落時への対策を考えるなら、日本債券に軍配が上がります。

その理由は、

外国株と外国債券は「似たような値動き」をするのに対し、

外国株と日本債券は「逆の値動き」をするからです。

この値動きの連動性を示す指標を、相関係数と呼びます。

相関係数は+1に近づくほど連動性が高く、ー1に近づくほど逆の値動きをするという意味です。

4資産の相関係数 外国株と外国債券は0.7 外国株と日本債券は-0.2

この表は相関係数の目安を示したものですが、

外国株と外国株式の相関係数は「0.7」なので、かなり似た動きをすることが分かります。

一方で、外国株と日本債券の相関係数は「-0.2」なので、少し逆のような値動きをします。

もし外国株が暴落が起きた時、外国債券も同じように値下がりしますが、日本債券は少し値上がりするイメージですね。

ですから、外国株を中心に運用している人にとって、日本債券はリスクヘッジ(リスク対策)の資産と言えるわけです。

以上、3つの観点から、日本債券と外国債券の違いを説明しました。

両者の違いを踏まえて、自分に合った組み方をしていきましょう。

論点3 代表的なポートフォリオ

それでは、論点1・2をふまえて、代表的なポートフォリオを紹介します。

現金+外国株+日本債券の『3資産型』ポートフォリオ

「現金+外国株」の次に検討したいのが、現金+外国株+日本債券の、3資産型ポートフォリオです。

生活に欠かせない現金、高リターンを狙った外国株、投資効率を上げるための日本債券。

この3つをバランスよく組み込むことで、非常にバランスのとれたポートフォリオを作ることができます。

あまり難しいことを考えたくないという人は、この型が完成形でも良いでしょう。

外国債券を入れた『4資産型』ポートフォリオ

私が最もおススメしたいのが、さきほどの3資産型に外国債券を組み込んだ、4資産型ポートフォリオです。

先ほどの3資産型も良いのですが、日本債券はリターンが小さすぎて、どうしても運用額が大きくなってしまいます。

そこで、外国債券を上手く組み込むことで、非常に完成度の高いポートフォリオを組むことができるでしょう。

多くの方によって、最終系ともいえる型ですから、ぜひ活用してみてください。

なお、「日本株はいらないの?」と言う質問をよくもらうのですが、

日本株は投資効率(シャープレシオ)が低いため、わざわざ組み込む必要はありません。

現金+外国株+外国債券+日本債券。この4資産で十分でしょう。

5資産以上のポートフォリオ

5つ以上の資産を組み込むポートフォリオは、正直言ってマニアの領域だと思います。

例えば、「不動産リート」、「金」、石油などの「コモディティ」などを組み込めば、いくらでも複雑なポートフォリオを組むことが可能です。

しかし、あまり複雑にし過ぎると、管理も大変です。

「投資が趣味」とか、「運用額1億円越え」という人でない限り、手を出す必要はない世界でしょう。

おススメしません バランス型ポートフォリオ

よく言われるバランス型のポートフォリオは、おススメしません。

例えば、世間では「8資産分散型」のバランスファンドとして、①日本株+②先進国株+③新興国株+④日本債券+⑤先進国債券+⑥新興国債券+⑦日本リート+⑧先進国リートの8資産をバランスよく組み込む商品があります。

(実際には「現金」が入るので、9資産型ですね)

しかし、はっきり言ってこのバランス型はムダばかり。

投資効率が悪い日本株や、扱いづらいリート(不動産)が含まれていますし、新興国の比率が高いのも問題です。

バランスファンドという名前なのに、全然バランスが取れていないのが事実。

あまり理解できていない初心者をターゲットとした商品かと思います。

名前に騙されないように注意しましょうね。

まとめ

本記事では、運用額が大きい人でも、安心な運用ができる方法をお伝えしました。

運用額が大きい人でも、安心な運用ができる方法

  • 債券は株式よりも投資効率(シャープレシオ)が高い
  • 外国株に債券を組み込むと、投資効率が上がる
  • 債券は高額投資に向いている
  • 投資効率・暴落対策なら日本債券、リターンの良さなら外国債券が良い
  • おススメは「現金+外国株+外国債券+日本債券」の4資産型ポートフォリオ
  • 世間で売られているバランスファンドは非効率

ポートフォリオを組むコツをつかんで、安心できるポートフォリオを組んでくださいね!

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

この記事を書いている人

中村俊也

資産形成マスター講座 講師

中村俊也(なかむらとしや)

金融商品の販売をしない中立の立場から、生活費の削減方法や、長期的にお金を増やす方法を教えています。

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