製造業の生成AI・ChatGPT活用について(質問&回答含む)
2024年3月、製造業向けの生成AI・ChatGPT活用というテーマで、
小糸製作所協力会様
浜松職業能力開発短期大学校(ポリテクカレッジ浜松)様
静岡県工業技術研究所様
以上で講演をさせていただきました。
このページでは、「製造業における生成AI活用」のお話と、いただいた質問の回答をさせていただきます。
製造業の生成AI・ChatGPT活用
本講座では、特に製造業での生成AI・ChatGPT活用についてお話しさせていただきました。
ChatGPTは「自然言語処理」のAIと言われます。
つまり、今話題になっている生成AIが影響を与えるのは、製造現場(物理領域)より、文字や思考・PCを扱う、オフィスでの領域になります。
具体的には、研究開発・営業・事務・経営などの領域です。
一言に製造業と言っても、影響を受ける分野とそうでない分野があるんですね。
製造業のChatGPT活用例:難しい言葉を分かりやすく説明する
例えば、ChatGPTを使うことで、難しい現象や製品を分かりやすく説明することができます。簡単なので、個人的には、製造業の方にまず初めにおススメしたい使い方です。
こちらは、「走査型電子顕微鏡」を「子どもにも分かるように」説明させた例です。これ、理系や研究者にぜひ使って欲しい方法ですね!
難しい現象を分かりやすく説明する
指示文:「走査型電子顕微鏡」を、子どもにも分かるように楽しく説明して!
ChatGPT:走査型電子顕微鏡って、すごく小さな世界を見るための特別な顕微鏡なんだよ。普通の顕微鏡が光を使って物を見るのに対して、この顕微鏡は「電子」というとても小さな粒子を使って物を見るんだ。電子はとっても小さいけれど、その小さな電子を使って物の表面をくまなく調べることができるの。電子を物に当てると、その物からも電子が飛び出してくる。その飛び出してきた電子をキャッチすることで、物の形や表面の様子をとても詳しく見ることができるんだ。例えば、蝶々の翅の表面を見たり、小さな虫の足の細かい部分まで見ることができる。走査型電子顕微鏡で見ると、普段は目に見えない世界が見えてくるから、まるで宝探しをしているみたいにワクワクするよ。この顕微鏡は、科学者たちが新しい物質を研究したり、病気の原因を探ったりするのにも使われているんだ。とっても小さいけれど、私たちの生活や科学の世界に大きな影響を与えているんだよ。
製造業のChatGPT活用例:プログラミングコードを書く
また、コードを書くのが大得意です!
こちらは、ChatGPTでシューティングゲームを作ってみた例です。コードを1行を書かずにシューティングゲームが作れるのはすごいですよね~。
動画 AIキャンプ「ChatGPTでド素人がシューティングゲームを作ってみた」
製造業のChatGPT活用例:ChatGPT-4-Vision画像認識で、作品や展示物を分析してみた
製造業におけるAI活用の一例として、「ChatGPT画像認識」が挙げられます。
ポリテク浜松の学生さんが作成した展示物を、ChatGPTの画像認識で分析してみました。するとどうでしょう?スマホで撮ったたった1枚の画像から、めちゃくちゃ魅力的なトーク文を作成してくれました!これはすごい!
こちらは、静岡県工業技術研究所様の入り口にあった展示物。廃タイヤを活用して製作したものらしいので、これをChatGPT画像認識で解説してもらいました。
・・・すごいですね。一瞬で、廃タイヤの再利用という価値や意義をアピールしてくれるのは、本当に驚異的です。
このように、画像を分析して説明したり、実験結果を分析することが可能で、製造業でも期待されている活用法と言えます。
製造業のChatGPT活用例:多言語翻訳、解説動画の作成
ChatGPTを使えば、英語や中国語に翻訳して製品の説明をしたり、それを解説動画にすることも可能です。
動画 AIキャンプ「ChatGPTで変わる次世代の商品紹介術!営業トークから多言語動画の制作まで」
いかがでしょうか?
ここで紹介したのはほんの一例なので、皆様もいろいろ遊んでいただけると幸いです。
いただいた質問への回答
いただいた質問に回答させていただきます。
Q、生成AIを導入したいが、何から始めればいいですか?
A、まずは楽しむことから始めましょう!「楽しむ」ことが極めて重要です!
Q、チャットGPTに入力したことは、公開されてしまうのですか?
A、はい、アメリカのOpenAIという企業で、AIの学習データとして使用されます。そのため、対策が必要です。
Q、ChatGPTの情報漏洩を防ぐ方法ありますか?
A、はい。①ChatGPTの設定画面で「学習モードをオフにする」ことが1つ。もう一つは、②ChatGTP Teamというチーム向けプラン(月額30ドル)に加入していただくと漏洩リスクを下げることができます。詳しくは弊社サービスをご覧ください。それ以上に漏洩リスクを下げたい場合は、さらに高セキュリティな使用環境(Azureなど)を整える必要があります。
Q、ChatGPTの著作権は大丈夫なんでしょうか?
A、基本的には「原作に類似したものはアウト」という認識と、「外部発信する際は十分に注意する」ことが大前提です。あとは、最新の情報を調べていきましょう。著作権法自体が変わる可能性もありますね。
Q、AIが人の仕事を駆逐していくと言われますが、設計開発と設備保全と自動車整備のそれぞれは今後どのようになって行くでしょうか?(一部具体的な質問内容のため、質問を簡略化しています)
A、難しい質問ですが、一言に「設計開発」や「自動車整備」といっても様々な業務があるので、一部がAIに助けてもらえるというイメージで良いと思います。また、物理作業が多く必要な仕事なので、ChatGPTなどの自然言語AIが与える影響は少ないでしょう。(ロボットの領域なので、将来は分かりませんが)
Q、ChatGPTや生成AIを用いてPC内のソフトを編集させることは可能なのでしょうか。
A、はい。現状では、Microsoft Copilotでは、WordやExcelといったOffice製品と。Google Geminiでは、Google WorkspaceやYouTubeなどと連動して動かすことが可能です。または、APIという連携技術を使用することも可能です。
Q、少量多品種の注文を手書き図面と注文書備考で受け、適正金額の確認が困難な状況です。統一性のないデータから適正金額を算出する入力方法はありますか?
A、この質問は、ChatGPTの画像認識(Vision)と、ChatGPTのデータ分析(Code Interpreter)を使用して図表を含むバラバラなデータから、定性的な評価をしたい、という意図でしょうか?まず、定性的なデータ評価は非常に注目の手法なので、ある程度は可能です。ただし、これは2023年に新しく登場したばかりの技術なので課題も多く、業務効率化に本当につながるかどうかは、やってみないと分からない、というのが現状です。ここは非常にニーズの高い手法なので、世界中の多くの研究者や企業が取り組んでいると思うので、今後に期待ですね。(あとはデータ次第かも)
以上、回答させていただきました。
おわりに
以上になります。
もし、さらに詳しく知りたい!実際にガンガン活用したい!という方は、ぜひ私達AIキャンプの講座にも遊びに来てくださいね!