AI時代の就活・キャリアとは?

今回は、AI時代の就活・キャリアとは?というテーマでお届けします。この講演は、静岡県立大学様で2026年1月に登壇させていただきました。

▼目次
0:00 はじめに AI時代の就活・キャリアとは?
1:57 自己紹介
5:35 AI活用イメージ:ChatGPT
7:05 AI活用イメージ:オリジナルAIキャラでメール作成
10:15 AI活用イメージ:Geminiで就活クイズアプリを作る
13:57 重要トレンド:AIエージェント・フィジカルAI
16:38 AI×就活市場における現在地と活用例
20:14 活用例:就活の先生になってもらう
22:27 活用例:ES(エントリーシート)を作成する
23:10 AIの間違った使い方と正しい使い方
25:10 人事側の使い方:AIでESの判定をする(スプシ×GPT-API)
28:40 今と昔はこんなに違う!?今ドキの職業観3選
34:57 変化を前提としたキャリアへ(イチローから魔女の宅急便)
39:47 発展:キャリア理論の推移
40:40 発展:キャリア教育の推移
44:05 まとめ

▼文字起こし

今日はですね、AI時代の就活・キャリアとはというテーマで1時間ほど紹介させていただこうかなと思います。今日の趣旨なんですけど、最近「AIがとにかくすごいらしいぞ、一体これからの社会どうなっちゃうの」という不安を抱えている方がとても多いんじゃないかと思うんですね。その不安を解決するための一歩が、現状を正しく理解することです。これはAIでできるけれどこれは人間じゃなきゃできない、というところを正しく理解していくと戦略が立てられるようになりますので、納得ある行動につなげていければなと思います。この納得ある行動こそ今の時代の就活のキーワードです。正解を求めるんじゃなくて、自分で納得解を得ることが非常に大事ですね。今日は大学生の皆様も多いので、今の社会に起きている地殻変動を皆さんと一緒に考えていきましょうというテーマでお話ししていきます。就活の話なので、私は元々キャリアセンターの職員でしたから、いわゆる就活テクニックみたいなものもすごい知っているんですけど、今日はテクニックというよりは本質的に求められているキャリア観について考えていけるといいかなと思います。私は就活の現場で800人ぐらい学生さんを支援してきたので分かるんですけど、もちろんテクニックも大事です。明日面接に行くんだったら、身だしなみを整えるとか履歴書をチェックするとか、そういう基本的なテクニックは直前には必要ですが、できれば就活の本番に行く前、自己分析をするようなタイミングでは「そもそもこれからの時代どうなるんだ」というところから考えていただくといいかなと思います。本当は大学1年生や2年生から考えていただくといいですね。じゃあ自己紹介兼ねてAIの魅力をお伝えさせていただきます。私たちはAIキャンプという団体で活動しておりまして、「AIとワクワクする社会を作る」というテーマで、この静岡市を拠点に全国で生成AIの研修や導入支援をさせていただいております。ありがたいことに、私の登壇実績も700回を超えておりまして、全国トップクラスで研修をさせていただいております。専門用語がいくつか出てきてしまいますが、例えばAIに関する動画も500本ぐらい配信していたり、独自に開発したAIの活用例も3000事例を超えていて、公的機関から金融機関、教育機関、そして企業様に至るまで支援をさせていただいている団体でございます。もうひたすらAIを触っている人間です。このAI時代で持っておきたい大事な視点があるんですけど、今は口を動かすよりも手を動かす人が強くなっている時代で、触らないと分からないんです。最近だったらChatGPTやGoogleのGeminiみたいなAIがありますけど、基本操作ができるなんてのはもう当たり前で、そこにデータを入れていくとか、最近はAIエージェントというChatGPTのさらにすごい版のようなものが出ていますが、こういうエージェントの構築も手を動かしてやらないとダメです。触らないと全く分からないので、私たちは机上の空論ではなく、しっかりと自分たちの武器にする、解像度を上げるということを大切にしています。改めまして中村俊也と申します。私は元々大学院を卒業した後に静岡県で高校の教員をやっておりました。掛川工業高校や磐田農業高校にいたので、高校生の就活もかなり支援していました。そこからもっと世の中に楽しい学びを届けたいなと思って起業しまして、その前には東京の私立大学でキャリアセンターの職員を3年間ほど務め、キャリアコンサルタントをやったりキャリア教育に関する書籍を出版したりしていました。その後起業して、今はAIが登場してからは「絶対AIだ」と思って、これまでの事業を転換してAIの活用を分かりやすくお伝えしています。私は公務員、民間企業、フリーランスを経て起業し、その後また静岡市の産学交流センターという公的機関でパラレルワーカーとして働くなど、起業してから就職するという謎の行動もしつつ、現在は法人を作って独立しています。すごく色々なキャリアを歩んでいますので、自分の体験から「変化する時代にどうやってキャリアチェンジすればいいんだ」というところを色々お話しできるかなと思っています。AI活用のイメージを紹介します。これはChatGPTという一番有名なAIですが、今月発表された「ショート・シンキング」という思考モードは、大学入学共通テストで得点率97%を叩き出し、東大にも受かっちゃうような天才モデルになっています。数年前は「AIは東大に受かるのか」と議論していたのが懐かしいくらい、めちゃくちゃ頭が良くなっています。断言しますが、特にホワイトワーカーやデスクワークにおいてAIを使わないで仕事をするなんて、もうありえない世界になってきています。単に仕事が早くなるというよりも、めちゃめちゃ天才の相棒が横にいてくれるので、仕事のレベルも上がりますし意思決定も早くなります。人類が違うレベルの仕事ができる時代に突入したなと思っています。私たちはChatGPTを独自のオリジナルAIキャラとして運用しています。公式キャラクターでAIあおいさんというキャラクターがいるのですが、こういうのを自分で作ることができるんですね。例えばメールを作成したい時に手伝ってくれるAIあおいさんがいます。今までは人間が頑張って打っていたビジネス文章も、今は「話しかければ仕事が終わる」という世界観です。私が運営しているAIキャンプやり切る塾というウェブ講座のリマインドメールも、AIあおいさんに「2月5日に開催するセミナーの案内メールを作って」と話しかけるだけで終わります。AIあおいさんが自分で弊社のウェブサイトを検索して、セミナーの情報を探してメールを完成させてくれるんです。文章作成や調べ物を人間がやる世界じゃなくなってきているということですね。もう一つ、今革命的な変化が起きているのはプログラムを作るという使い方です。今回はGoogleのGeminiを使ってみます。例えば「就活クイズアプリをいい感じに作ってください」と指示を出すと、HTMLやCSS、Reactといったプログラムを一瞬で書いてくれます。私はエンジニアではありませんが、話しかけるだけでクイズアプリが15秒ぐらいでできてしまうんです。ここで言いたいのは、自分では不可能だったことにすら挑戦できるようになっているのがAI時代のすごいところだということです。AIを自分の相棒にすることで、自分一人ではできなかった新しい作業ができるようになります。特に頭を使う仕事においては、AIを使う人と使わない人で残酷なぐらいに差がついてくると思います。重要トレンドも2つお話しします。1つはAIエージェントです。ChatGPTのように口を出すだけではなく、作業まで全部してくれるようになっています。ChatGPTが金魚なら、AIエージェントは魚の群れのようなもので、馬力が桁違いです。もう1つはフィジカルAI、つまりAIロボットです。今は製造業などで複雑な作業を代行し始めていますが、これが進化すると、将来的に「1人雇うよりロボットを買ったほうがいい」という時代が来ます。ガストの配膳ロボットのように、一部の仕事をAIやロボットと一緒にやる社会に急激に変化していきます。さて、AI×就活の話に行きましょう。就活のやり方自体はAIで変わりました。エントリーシート(ES)を書くのもAIでできるようになりましたが、大事なのは内定した後のキャリアです。就活とAIは相性抜群です。2025年時点でも約40%の学生がAIに相談しながら書類を作っており、今後は90%以上になるでしょう。AIは人間が苦手な業務、例えば初めての業界研究や志望理由書の作成ですごい威力を発揮します。また、就活支援の現場は人手不足でなかなか手厚く見ることができないので、AIを就活の先生にするのは非常に面白い使い方です。「営業事務って何?」「決算書のどこを見ればいいの?」といった質問にAIは的確に答えてくれます。知識の幅広さに関しては人間の比ではありません。ただ、AIには間違った使い方と正しい使い方があります。ESの作成を丸投げするのは良くない使い方です。内容が薄くなりますし、何より自己理解を深めて成長する機会を奪ってしまいます。宿題を丸投げするのと同じです。正しい使い方は、一度自分で書いたものにダメ出しをさせたり、履歴書から想定質問を作らせて面接練習をしたりすることです。自分の思考を深めるためにAIを相棒として使うのが正解です。今後、企業側もAIで書かれた書類が増えることで書類選考の評価を下げ、面接での人物評価を重視するようになるでしょう。面白いことに、人事採用側もAIを使っています。何千人も応募がある大企業では、AIを使って自己PRの判定やフィードバックをさせています。就活生もAIで書き、採用側もAIで判定するという、冗談のような未来が本当にやってきています。だからこそ、本人の質、リアルの評価がより重視されるようになります。最後にキャリア的な話をします。今の若者の職業観は親世代とはだいぶ変わっています。昔は「夢や目標」をベースにした「山登り型」のキャリアでしたが、今は未来が予測できない前提の「川下り型」のキャリアです。目標が持ちづらい中で、柔軟に変化していく生き方が今の時代に合っています。終身雇用という考え方も薄れ、今は転職やキャリアチェンジを前提としたファーストキャリアという捉え方が標準的です。日本の企業の平均勤続年数は約10年と言われており、一生同じ会社に尽くすという価値観はなくなってきています。また、安定だけでなく成長を求める子たちが増えています。キャリアチェンジが当たり前になると、自分を成長させていかないと生き残れないからです。仕事自体も変化し続けます。変化するものだけが生き残る。「もうこれ」と決めるのではなく、変化を前提に生きていくのが重要な戦略です。キャリア理論で例えると、イチロー型と『魔女の宅急便』のキキ型があります。夢に向かって進むイチロー型は、やりたいことが明確な人には有効ですが、今の学生の7割から9割は「やりたいことが分からない」キキ型です。キキは特にプランもなく家を出ますが、たまたま飛び込んだ街で宅急便を始め、その場で局面を打開していきます。夢や目標が持てない中でどう社会を生きていくか、そのサバイバル術の方が現代では大事です。キャリア支援のあり方も、学歴社会の1.0から、自分たちで仕事を作るチャレンジ型の5.0へとシフトしてきています。自分を磨き、社会の変化に合わせて自分を変えていく。これがAI時代の最強の戦略になります。AIは強力な相棒です。正しく使いこなし、変化する社会の中で自分自身も変化し続けてください。それが納得のいくキャリアにつながるはずです。本日はありがとうございました。