就職では欠かせない「業界・職種・企業」の3ステップ職業研究法とは

本記事では、就職では欠かせない「3ステップの職業研究法」を紹介します。
職業研究では、①業界研究⇨②職種研究⇨③企業研究の3ステップで行うことが効率もよく、オススメです。
主に大学生の就活で行うことが多いのですが、基本的な部分は中学生や高校生でも知っておいて損はありませんよ!
step1.業界研究
まず1つ目のステップは業界研究。業界とは、企業を事業内容によってグループ分けしたものです。
例えば、モノを作る「製造業(メーカー)」、様々なサービスを提供する「サービス業」、銀行や保険などお金や金融商品を扱う「金融業」などです。
これらの分類はさらに細かく分けることができ、例えば製造業なら「自動車製造業」とか「食品製造業」という感じです。
業界研究の3つのメリット
業界研究には次のようなメリットがあります。
■メリット① 1つの企業を知るよりも効率的に全体の概要を知ることができる
1つ1つ片っ端から企業を調べても良いのですが、日本にある企業数はなんと386万社です!(引用:平成28年度経済センサス-活動調査)
とてもじゃないですが、全ての企業を細かく分析するのは現実的に不可能ですよね。
ですので、まずは業界全体の動向を掴み、その上でそこに所属する企業を調べた方が効率的であると言えます。
■メリット② 業界の特徴を知ることで、社会の仕組みについて詳しくなれる
業界ごとに大きな特徴があるため、これを理解しておくことで社会の仕組みについて詳しくなれます。
例えば、就活生に人気のインフラ業界※は公共性が高く雇用が安定している。商社業界は事業の規模や扱う範囲が広い、などです。
※インフラ業界とは?
電気・ガス・水道・交通など、社会基盤を支える業界です。「競争が起こりにくい「独占」or「寡占」状態 & 社会で常に必要とされる & 国からもがっちり守られる。
公共性が高く安定した職業として、就活生からは抜群の人気を誇ります。
逆に、就活生に人気がないのは飲食・小売業(コンビニ・スーパーなど)など業界です。売っている商品が安いので、どうしても利益が小さくブラックになりやすい業界ですね
他には、IT業界も不人気です。「下請け(したうけ)構造」と言って、親会社→子会社→孫会社と、組織がピラミッド型の構造になっています。
キラキラ働ける人はごく一部で、ほとんどの業務が親会社の下請けです。「きつい・つまらない・安い」というブラックな労働環境が多いことが社会問題にもなっています。
■メリット③ 業界の成長性や将来性が分かる
業界全体の今後の成長性や将来性も重要です。
今後も成長が期待される産業と言えば、例えばAI、Iot、自動運転やバイオなどが挙げられます。
逆に、出版業などは紙媒体の利用の減少によって今後の成長が難しい分野と言えますね。
金融業では、金融+テクノロジーを融合させた「フィンテック」が注目を集めており、大きなビジネスモデルの変化が求められてる分野です。
これらは、グローバル化や技術の進歩、人口や人々の消費行動の変化などの様々な要因の影響を受けます。これからの若者にとって、こういう視点はとても重要です。
また、これから仕事を選ぶという人は、「成長している産業」や「将来性のある産業」に飛び込むというのも1つの手だと言えます。
業界研究の方法
大きく分けて、①本で調べる、②ネットで調べる、③人に聞くの3つの手法があります。
本で調べる場合は「業界地図」の本がきれいにまとまっているので、これを買ってみましょう。大学の就活生なら必須ですね。
中でも「二大業界地図」と呼ばれる東洋経済新報社の「会社四季報業界地図」日本経済新聞社の「日経業界地図」の2つがあります。どちらでもOKです。

右: 日本経済新聞社の「日経業界地図」
ネットで業界の規模を調べる場合は、「市場規模マップ」というサイトがとても勉強になります。
気になる業界がどれくらいの市場規模なのか、調べてみましょう。
業界の選び方

どの業界を見ればいいの?
・・・という人も多いと思いますので、いくつか観点を挙げてみます。
- 自分の興味のある業界
- 身近な人が勤めている業界(家族や友人など)
- 稼ぎやすい業界
- 成長が期待される業界
例えば、稼ぎやすい業界を調べてみる。「コンサル」「金融」「不動産」「総合商社」などでしょうか?専門性が高いこと、動く額(単価)が大きいことなどから、構造的に稼ぎやすくなりますね。
もちろん、それだけ競争が激しく、ぎらぎらした人の集まりですけどね(笑)
逆に、専門性が低く単価が低い仕事は当然稼ぎにくくなりますね。ブラック企業の割合が高いのもこれらの業界です。
step2.職種研究
2つ目のステップが職種研究です。職種とは、仕事の種類のこと。
商品を売り込む「営業」、お金を扱う「経理」、採用などを行う「人事」などです。
若いうちは「この職種になりたい!」とピンポイントで決めるよりは、いろんな職種があることを知っておきたいですね。きっと将来はいろんな職種を経験することになるでしょう。
「総合職」と「一般職」の違い
数多くの職種全てを理解するのは難しいですが、「総合職」と「一般職」の違いは理解しておくべきです。
会社によって呼び方が違いますが、以下のようなざっくりとした特徴があります。
総合職と一般職の違い
総合職:社内の重要な仕事を担う(何でもやる)。転勤や配置換えがザラ。幹部候補で出世あり。給料が高い。8割が男性。福利厚生が良い。大きく事務系総合職と技術計総合職に分かれる。
一般職:決まった業務をやる。転勤が限られる。キャリアに上限があり出世しにくい。給料は安い。8割が女性。
※男女比は平成26年厚生労働省「コース別雇用管理制度の実施・指導状況」を参考にしています。
給料や出世などを考えれば、総合職が圧倒的に良い立場ですね。一方で「転勤はいや!」などの理由で一般職を目指す人だっています。
業務の特徴から男女比に違いが大きいです。これは日本の男女労働の課題でもあると言えますね。
自分がどんな職種がいいか、どんな働き方がしたいかは考えておきましょう。
スーパーを例に考えてみよう
さて、「身近な『スーパー』を例に考えるとどんな職種が思いつきますか?」
レジでの「販売」・「接客」などはすぐに思いつくと思いますが、裏方はどうでしょう?
食品などの「商品加工」、店舗や売り上げを管理する「店舗管理」、一定数の店舗を管轄する「マネージャー」、商品の「バイヤー(仕入れ)」などがありますね。
ある時、スーパーのバイヤーの方から、

バイヤーは商品の売り上げを見込み、どの商品をどれだけ仕入れるか考える仕事です。価格やトレンド(流行)、天気など多くの条件を考えながら仕入先と取引をしていきます。バイヤーの仕事ってとっても難しいけど、とっても面白いんです!!
なんて話を聞きました。
このように、普段は見ることのない職種でも、とっても面白くワクワクするようなものもたくさんあるんです!
ぜひいろんな職種に目を向けてみましょうね!
step3.企業研究
さて、最後のステップは企業研究です。
ここでは5つの方法に分けて紹介していきます。どれも一長一短があるので、理解して使いわけることが重要ですよ!
方法1.学校に来ている求人を利用する
もしあなたの高校に「指定校求人」が来ている場合、その会社を調べてみる価値があります。
というのも、学校に直接求人が来るだけあって、企業の採用意欲は高いといえます。卒業生の先輩が勤めている場合も多いので、自分のモデルケースとして身近に感じることができるでしょう。
会社調べに困ったら、まずは学校の求人を調べてみましょう。
方法2.公的な職業紹介を利用(ハローワーク)
みなさんはハローワークって知ってますか?
正確には「公共職業安定所」、通称「職安(しょくあん)」と呼ばれ、国が設置する行政機関です。
公的な職業紹介ですので、企業側としては無料で利用することができます。つまり、資本(お金)の少ない中小企業でも利用ができます。
「資本に余裕がない」ということは、労働環境が劣悪であるケースが多いです。つまり、次の「方法3、民間の職業紹介サービス」と比べて、いわゆるブラック企業の割合が高いといえます。
もちろん大企業も含まれていますので、いわゆる玉石混合なんですよね。この点は理解をして利用する必要がありますね。
メリットとしては、企業数が多いこと、採用ハードルの低い企業が多くあること。
また、障害などのハンデを持っている場合には就職支援を受けることができます。この点は公的機関だけあって素晴らしいポイントでしょう。
方法3.民間の職業紹介サービスを利用
大学生では基本の手法ですが、高校生も民間のサービスを見てみると面白いですよ!
具体的には、「マイナビ」や「リクナビ」に代表される大手企業が運営するサービスです。大学の就活生にとっては必須といえますね。
先ほどのハローワークと違い、利用する企業側は利用料(コスト)がかかります。つまり、それなりの事業体力(資金)がある企業しか、ここには登録されていません。
つまり、いわゆる有名企業・大企業が多く掲載され、いわゆるブラック企業の割合は公的な職業紹介よりもずっと低いという特徴があります。
実際に「マイナビ2020」には約2万4000社の企業数が掲載されています。日本にある全386万の企業数と比較しても、ずいぶん絞られていますね~。
高校生の場合、高校での求人に比べて様々な職種を見ることができますので、勉強する価値はあります。
方法4.会社HPを見る
会社HPでは、その企業をピンポイントで調べることができますね。気になる企業がある場合、実際には会社のHPを見ることになるでしょう。
ですが、HPはあくまで宣伝!良い所しか載っていないという点には注意が必要ですね。
実際には超ブラック企業でも「働きやすい会社です!」なんて書いてありますからね(笑)
現場の実態が知りたい場合は、社会から直接情報を仕入れるなど、他の方法を考えていきましょう。
方法5.就職情報誌を見る

最も有名な就職情報誌が東洋経済新報社の「就職四季報」です。
四季報の特徴は宣伝ではなく、企業にとって公開したくないような情報もしっかり公開している点!
2021年版の表紙に「欲しいのは宣伝じゃない、ホントの情報!」とありますね。まさにこれ!
具体的には「儲かっているかどうか」などの財務的な情報や、企業が言いたくない「3年離職率」「残業時間」などがズバッと公開されています。
会社HPと併せてこの情報を見ると、より正確な情報をキャッチできますね。
おわりに
本記事では、高校生が知っておきたい「3ステップの職業研究法」として、①業界研究、②職種研究、③企業研究を紹介しました。
まとめ
業界研究
- メリット①:効率よく調べられる
- メリット②:社会の仕組みに詳しくなる
- メリット③:業界の成長性・将来性が分かる
- 調べ方 ①ネット ②本 ③人に聞く 中でも「業界研究」の方がオススメ
- 業界の選び方 ①興味 ②身近 ③稼ぎやすさ ④成長性
職種研究 特に「総合職」と「一般職」の違いを理解しておく
企業研究
- 調べ方 ①指定校求人 ②ハローワーク ③民間サービス ④会社HP ⑤四季報
いかがでしたか?
社会経験の少ない若者には難しめの内容もありますが、今後のキャリア選択には重要な情報ですので、チャンスを見つけて学習しましょう!