投資リスク「ブレ幅」をサクッと計算!暴落時も安心な資産運用ができる!
「もし暴落が起きた時に、どれくらいのダメージがあるの?」
「そもそも、投資でよく言われる『リスクが〇〇%』ってどういう意味なの?」
今回は、こんな疑問に答えます。
「暴落」って怖いですよね?
もしリスクを理解せずにハイリスクな投資をしていると、
暴落が起きた時、とんでもないダメージを受けるかもしれません。
しかし、『投資のリスク(ブレ幅)』を理解して、『最大暴落率』(大暴落が起きた時の下落幅)を計算すれば、
具体的な最大ダメージ(損失額)を知ることができます。
最悪のケースのダメージを把握しておくことで、
暴落時も安心な積極運用ができるでしょう!
もしあなたが、「リスクの高い外国株式など」へ「まとまった金額を運用したい」のなら、絶対に欠かせないポイントです。
必ずマスターしてくださいね!
投資のリスク、リターンの本当の意味
まずは、投資の世界で言う「リスク」と「リターン」について、本当の意味を押さえましょう。
リスクの本当の意味は「ブレ幅」である!
投資の世界で言うリスクとは、
「危険」という意味ではなく、
「ブレ幅」を意味しています。
現金と違って、株や債券の価格はブレます。
グワッと上がることもあれば、ズドンと下がることもありますよね?
上がり下がりのブレ幅の大きさを示す指標が、「リスク」なのです。
リスクとは、ブレ幅のことである!
- リスクが小さい = ブレ幅が小さい
- リスクが大きい = ブレ幅が大きい
具体的には、「日本債券」などがリスクが小さい資産、「外国株式」などがリスクが大きい資産です。
リスクが大きい資産に投資する場合は、ブレ幅によく注目する必要があるんですね。
リターンの本当の意味は「ブレ幅の中心」である!
リターンの本当の意味は、「ブレ幅の中心」です。
投資を始めたばかりの頃って、「お金が増える」ことばかりに注目しがちですよね?
実際に私自身も、リスクのことには興味がなくて、
「リターンが+7%ってことは、100万円が、1年後に107万円になるんだ!」
なんて思っていました。
でも実際には、+20%になることもあれば、-15%になることもあります。
つまり、リターンが+7%というのは、「確実に+7%増える」という意味ではなく、
あくまで、「ブレ幅の中心が+7%」という意味です。
これが、リスクを考慮した本当の意味での「リターン」です。
基礎的な内容ですが、初心者は見落としがちなので、気を付けてください。
リターンの本当の意味
リターン = ブレ幅の中心
リスク(ブレ幅)は何%?(全世界株投資の場合)
では、具体的にどのくらいブレるのでしょうか?
私が推奨する「全世界株式」の場合、リターンは7%、リスクは20%くらいです。
「リターン7%」の意味は簡単で、平均で1年後に7%増えることを意味しています。
では、「リスク20%」とはどういう意味なのでしょうか?
実はコレ、数学の「標準偏差」を示しています。
標準偏差の説明はちょっと難しいので、簡単に結果だけ説明します。
7%を基準に、
±20%のブレに収まる確率が高く、
±40%のブレに収まる確率が低く、
±60%のブレに収まる確率が超低い。
これが、ブレのイメージです。
まとめると、以下のようになります↓
全世界株式のブレ幅の大きさと確率
+47%~+67%・・・50 年に1回
+27%~+47%・・・8年に1回
+7%~+27%・・・3年に1回
-13~+7%・・・3年に1回
-33~-13%・・・8年に1回
-53~-33%・・・50 年に1回
ほとんどの場合は、小さなブレの範囲に収まるけど、
たま~に、大きな「高騰」や「暴落」が起きる。
そんなイメージですね。
これで、リスク(ブレ幅)の基礎理解はOKです!
50年に1回!?『大暴落』に注目しよう!
投資家が最も気を付けたいのが、「大暴落」の時です。
私は、世界全体の株価が、
- -33~-13%下落する時を「暴落」
- -53~-33%下落する時を「大暴落」
と呼んでいます。
数学上の確率に過ぎませんが、
暴落が起きるのは8年に1回、大暴落が送るのは50年に1回くらいです。
最近だと、2000年のITバブル崩壊が暴落の例、2008年のリーマン・ショックが大暴落の例ですね。
特にリーマン・ショックの時は、世界中の株価がズドーンと大暴落!なんと、株価が50%も下がりました。
当時は、
「株がゴミになる!」
「早く売った方が良いぞ!」
なんて言われて、世界中が大混乱。
実際には株価は回復したのですが、それでも6年という長い歳月が必要でした。
このとき、焦って売った人は大損して、じっくり保有し続けた人は、大暴落を乗り越えて利益を出しています。やはり、長期投資は優秀ですね。
話がそれましたが、投資をするなら、こうした大暴落にしっかりと目を向けましょう。
残念ながら、暴落を事前に察知して避ける方法はありません。
2020年の新型コロナウイルスだって、誰がこんな未来を予想できたでしょうか?
未来を予想して避けようとするのではなく、暴落が来る前提でリスクコントロールをしておくのが、優れた投資家の行動なのです。
『最大暴落率の公式』でサクッと計算!
私は、大暴落が起きた時の下落幅を『最大暴落率』と呼んでおり、次の公式で簡単に計算できます。
最大暴落率の公式
最大暴落率=(リターン)-(リスク×3)
先ほど説明したブレ幅の、一番下落したパターンの最低値のことですね。
リスクの高い全世界株式(リターン7%、リスク20%)の場合、
最大暴落率 =(7%)-(20%×3)=-53%なので、
-53%も下落します!
資産の約半分が1年で吹き飛ぶ計算ですから、なかなかやばいですよね…。
一方で、 安全な日本債券(リターン1.5%、リスク1.9%)の場合、
最大暴落率 = (1.5%)-(1.9%×3)=-4% なので、
ー4%しか下落しません!
50年に1度の大暴落が起きても、ほとんど資産が減ることがありません。
投資をする場合は、各資産の最大暴落率を頭に入れて、最大ダメージを事前に計算しておきましょう。
ちなみに、2021年8月に調べた時の値がこちらです↓(My Indexより)
各資産のリターン・リスク・最大暴落率
新興国株 リターン7.9% リスク23% 最大暴落率-61%
全世界株 リターン7.9% リスク19% 最大暴落率-49%
日本株 リターン4.9% リスク17% 最大暴落率-46%
全世界債券 リターン4.9% リスク10% 最大暴落率-25%
日本債券 リターン1.5% リスク1.9% 最大暴落率-4%
日本国債 リターン0.8% リスク0.2% 最大暴落率~0%
日本円 リターン-0.3% リスク0% 最大暴落率~0%
【注】最近は相場が良すぎるので、少しリターンが高めです。
リターンとリスクはだいたい比例しており、
株式はリターンもリスクも高く、債券はリターンもリスクも低め。
また、国内よりも海外、特に新興国がリスクが高めですね。
外国株の場合は、大暴落で株価が50%~60%くらいダウンします。
もしこの暴落に耐えられない場合は、リスクを下げましょう。
安全な資産を持ちたい場合は、
・日本企業の債券を集めた「日本債券」
・日本国の債券である「日本国債」
・「日本円」
このあたりがおススメです。
以上が、最大暴落率の計算でした。
※余談ですが、日本円は、『インフレ(物価上昇)』で価値がちょっとずつ下がるので、リターンはマイナスなんですね。
総資産の『最大ダメージ』を計算しよう
最後に、
自分が持っている総資産の、『最大ダメージ』を計算しましょう。
ここでは、資産が100万円あって、
配分が以下の通りだったと仮定します。
- 現金25万円(最大暴落率0%)
- 全世界株75万円(最大暴落率-53%)
もし大暴落が起きても、現金は全く減りませんが、全世界株の価格は53%も下落します。
この時の最大ダメージの計算は、次の通りです。
( 25万円×0% )+( 75万円×-53% )= -40万円
つまりこの人の場合、
「最大ダメージ(損失額)は40万円」
であることが分かります。
このように、自分の場合、いくらの損失が出るのかを知っておけば、いざという時の備えが可能です。
もしこのダメージに「耐えられない」なら、リスクを下げた安全な資産配分にしましょう。
逆に、「まだまだ耐えられる」なら、リスクを上げた積極的な資産配分にしてもOKです。
投資の世界では、リスクに応じた資産配分が極めて重要です。
(これを、「ポートフォリオ」とか「アセット・アロケーション」なんて言います)
図のように、現金などの安全資産の比率が高ければ、いざという時のダメージも小さくすみます。
もちろん、その分だけ投資のパワーが下がるので、無理のない範囲でリスクを負うことが必要ですね。
とにかく、
「最大ダメージの数値化」
これをしておけば、暴落時も安心して積極的な運用ができますよ♪
難しくないので、ぜひ自分のケースで計算してみてくださいね!
まとめ
本記事では、投資のリスク(ブレ幅)と暴落率について解説しました。
投資のリスク・暴落率のまとめ
- 投資の「リスク」は、「ブレ幅」を意味している
- 投資の「リターン」は、「ブレ幅の中心」を意味している
- 全世界株投資の場合、リターンは7%、リスクは20%くらい
- 気を付けたいのは、50年に1度の大暴落
- 大暴落では、世界中の株価が50%も下落する
- 最大暴落率=(リターン)-(リスク×3)
- 自分の総資産の、最大ダメージを数値化しよう
暴落が起きた時の最大ダメージ(損失額)を知っておけば、暴落時も安心な積極運用ができます!
自分のケースで、ぜひ計算してみてくださいね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。