ポートフォリオ|たった3ステップで、ベストな資産配分を作る方法
投資の資産配分(ポートフォリオ)を簡単に決める方法はないの?
こんな疑問に答えます。
投資を始めると、「できるだけリターンを上げたい!でもリスクが怖い!」なんて思いますよね。
リスクの取り過ぎは確かに危険。しかし、リスクが低すぎても、投資のパワーが出せません。
ですから投資では、リスクとリターンを「ちょうど良いバランスにする」ことが極めて重要です。
そこで本記事では、
自分に合った最適な資産バランス(=ポートフォリオ)が組める方法を、3STEPで解説します。
この手順通りにやれば、
ムダのない最適なポートフォリオを組むことができるようになります。
STEP1 ポートフォリオ・暴落率について知る
まず始めに、ポートフォリオと暴落率の基本を押さえましょう。
ポートフォリオとは?
ポートフォリオとは、金融資産の組み合わせのことです。
リスク高めの「株・不動産」や、リスク低めの「現金・債券・金」などを組み合わせて、自分にとって理想の資産バランスを整えます。
投資初心者の場合は、「現金+外国株」の組み合わせがおススメ。
パワーのある外国株と、安全な現金が組み合わさった、シンプルかつ優秀なポートフォリオです。
ただし、運用額が500万円を超えるような場合や、高齢で投資の終盤にさしかかっている場合は、もう少し細かいポートフォリオも良いでしょう。
具体的には、外国株より安全な「日本株」や「外国債券」、より安全性の高い「日本債券」を組み込むことが一般的です。「金」や「不動産」を組み込むこともありますね。
しかし、最初はシンプルなポートフォリオを組みましょう。
世の中にはいくらでも複雑なポートフォリオが存在しますが、これは運用額の多い資産家や、投資を専門とするプロ向けの方法です。
運用額が少ない一般人の場合、複雑な運用法をマネするメリットがありません。
投資はシンプルが一番。
まずは簡単な運用をしましょうね。
最大暴落率とは?
さて、ポートフォリオを組んだら、資産全体の「最大暴落率」を計算しましょう。
最大暴落率とは、暴落が起きた時の最大ダメージ額のことです。
リスクや暴落率が分からないという人は、先にこちらの記事も見ておきましょう↓
各資産のリターン・リスク・最大暴落率
新興国株 リターン7.9% リスク23% 最大暴落率-61%
全世界株 リターン7.9% リスク19% 最大暴落率-49%
日本株 リターン4.9% リスク17% 最大暴落率-46%
全世界債券 リターン4.9% リスク10% 最大暴落率-25%
日本債券 リターン1.5% リスク1.9% 最大暴落率-4%
日本国債 リターン0.8% リスク0.2% 最大暴落率~0%
日本円 リターン-0.3% リスク0% 最大暴落率~0%
2021年8月筆者調査
ここでは仮に、「現金50%+全世界株50%」のポートフォリオで計算してみましょう。
資産全体の最大暴落率は、
(0%×50%)+(-53%×50%)=-26.5%
このように計算できます。
もし総資産が1,000万円なら、
暴落が起きた時の最大ダメージは、1,000万円×26.5%で、「265万円」ですね。
これで、最大ダメージ(損失額)の計算は完了です。
ポートフォリオと最大暴落率は、セットで考えましょうね。
STEP2 最大許容額を決める
2つ目のステップは、「最大許容額」を決めることです。
最大許容額とは、「暴落が起きても耐えられる最大ダメージ(損失額)」を示しています。
「100万円なら耐えられる!」という人と、
「1,000万円なら耐えられる!」という人では、投資リスクの負い方が全く違いますからね。
最大許容額を決めることで、自分に合った最適なポートフォリオを組むことができるのです。
ここでは仮に、中村さん(仮名)夫婦のケースを考えてみましょう。
中村さん夫婦は、45歳の健康な共働き夫婦で、資産が1,300万円。
マイホームを購入済みで、1人娘が5年後に大学進学します。
中村さん夫婦の場合、どれだけのダメージに耐えることができるでしょうか?
まず、必ず必要になるのが「生活防衛金」です。生活防衛金とは、いざという時に必要な最低限の資金のこと。ここでは200万円あればOKとします。
次に準備したいのが、娘の大学進学費用。ここでは、600万円必要としましょう。
生活防衛金200万円+進学費600万円、合計800万円が、中村さん夫婦が絶対にキープしておきたい金額です。
仮に大暴落が起きたとしても、この800万円は必ず守られるような運用戦略を決めてください。
そう考えると、中村さん夫婦の場合は、総資産1,300万円から800万円を除いた、
「500万円」が最大許容額となります。
もちろん、実際に500万円のダメージはかなりの痛手です。
精神的にもつらいでしょうから、少なめに見積もって、「300万円」にしたとしましょう。
中村さん夫婦の最大許容額 = 300万円
これで、最大許容額の見積もりはOKです。
どうでしょうか?
このように最大許容額を決めておけば、自分が取れるリスクの限界値が分かります。
リスクが分かるから、ムダのないポートフォリオを組むことができるのです。
逆に言えば、リスク・最大許容額が分からなければ、ムダのないポートフォリオを組むことは絶対にできません。
以上で、ポートフォリオを組む下地が整いました。
STEP3 自分に合った最適ポートフォリオを組む
最後に、自分に合った最適ポートフォリオを組みましょう。
この時のコツは、最大許容額から逆算することです。
自分が負えるリスクの限界値が分かっているので、ムダのないポートフォリオを組むことが可能です。
例えば、資産1,300万円、「最大許容額300万円」の中村さん夫婦の場合、
全世界株(外国株)でいくらの運用が可能でしょうか?
全世界株の最大暴落率は-53%なので、
逆算すると、300万円÷0.53=566万円という計算になり、566万円までの運用が可能だと分かります。
中村さん夫婦の最適ポートフォリオ = 『現金734万円+全世界株566万円』
これで、事前に決めたリスクぎりぎりの運用ができます。
なお、「債券」を組み込む場合は、以下の2~4のようなポートフォリオもOKです。
総資産1,300万円、最大許容額300万円のポートフォリオ例
- 現金734万円+全世界株566万円
- 現金100万円+全世界債券1,200万円
- 現金600万円+全世界債券250万円+全世界株450万円
- 現金100万円+日本債券700万円+全世界株500万円
1~4のどのケースでも、最大ダメージは「300万円」になる配分である。
このように、債券を組み込む戦略も有効です。
しかしご覧の通り、債券を組み込むと、トータルの運用額が多くなります。
現金を多めに確保したい方や、運用額に制限のある「つみたてNISA」や「iDeCo」で運用する場合には、債券はイマイチ扱いにくいことも分かります。
繰り返しになりますが、初心者は「現金+外国株」のシンプル運用がオススメです。
債券を組み込むのは、運用額が大きくなってきた段階で考えれば十分でしょう。
話がそれましたが、とにかくポイントは、
「最大許容額から逆算してポートフォリオを組むこと!」
こうすれば、ムダのないポートフォリオを組むことができますよ。
まとめ
本記事では、最適なポートフォリオ(資産配分)を作る方法をお伝えしました。
最適なポートフォリオを作る方法
- STEP1 ポートフォリオ・暴落率を理解する
- 投資初心者は、「現金+外国株」のシンプルなポートフォリオがオススメ!
- 運用額が大きくなったら、「債券」などを組み込んでも良い。
- STEP2 暴落率から、自分が耐えられる最大ダメージ「=最大許容額」を決める
- STEP3 最大許容額から逆算することで、自分に合ったムダのない最適ポートフォリオが組める
自分に合った最適ポートフォリオが組めるようになると、
リスクを考慮しつつ、ムダのない効率的な運用が可能になります!
極めて重要な内容なので、必ず取り組んでくださいね!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。