本当に大切な教育は?時間管理マトリックスで可視化する【7つの習慣】
本記事では、「7つの習慣」に登場する「時間管理マトリックス」を用いて、学校教育における課題を可視化していきます。
この手法を用いることで、『本当に大切な業務が何か』を考え、見える化することができます。
時間管理マトリックスとは
世界的ベストセラーであるスティーブン・コヴィーの「7つの習慣」に、時間管理マトリックスという話が登場します。
ここでは、時間管理を「緊急性」と「重要性」の2軸で考えます。
- 第1領域:緊急かつ重要
- 第2領域:緊急ではないが重要
- 第3領域:緊急だが重要ではない
- 第4領域:緊急でも重要でもない
学校現場に当てはめて考えると、第1領域は「授業、急ぎの生徒対応、〆切の迫っている書類の作成」などが考えられます。これはすぐにやるべきことです。
第3領域は、「無駄な会議、急な来客対応」などです。急ぎの案件ですが、よく考えてみると自分にとって重要ではないと考えられる時間です。
第4領域は、「無駄な仕事や長電話」などの時間を浪費するものです。
無駄を減らすために、重要性の低い第3・4領域はできる限り減らすべきです。
そして、本当にやるべき「第2領域:緊急ではないが重要なこと」に力を注ぎましょう。
緊急性の高い第1・3領域の仕事は誰でもやります。しかし、本当に仕事ができる人は見過ごされがちな第2領域に目を向けるのです。
また、第2領域を広げることで第1領域が減り、重要度の高い仕事を慌ててやることも減るでしょう。
無駄を減らす(第3・4領域)
「世界一忙しい」「何でも屋」と言われるのが日本の学校教育を変えるためにも、重要でない第3・4領域を減らす意識を持ちましょう。
「なんとなくやってるけど、実は重要ではない」・・そんな業務はないでしょうか?
以下の3つは、筆者が自分の高校教師時代を振り返って無駄だったと思うことベスト3です。
- 無駄で長い会議
- 無駄な校則(いわゆるブラック校則)
- PTAの地区会
1に関しては反論する人はいないと思います。職員会議は本当に長くて無駄が多かったです。
厄介なのは2の校則です。
ちょっと突っ込みたくなるような風紀指導、未だに多くの学校で行われていませんか?靴下は白じゃなきゃダメ。茶髪はダメ。化粧はダメ。学校指定の上着以外はダメ。みたいなやつ。
私の勤務校では、「Tシャツや靴下は完全に無地なもの」という謎の風紀指導がありました。ワンポイントのロゴが入ってたらアウトです。(今思うと頭おかしいですよね)
私が問題視しているのは、教師も生徒も多くの時間と労力をかけてることです。でも、この指導って本当に重要ですか?
偏差値の低い荒れた学校に勤めていた当時は気にしませんでしたが、冷静に考えると本当に無駄なことにエネルギーを注いでいたなぁと思います…。
3のPTAの地区会では、議題もないのに地区ごとに保護者と教師が集まり、無駄な報告をして解散する。という謎の集まりでした。
一例を挙げましたが、きっと学校にはたくさんの「重要ではないこと」があると思います。
本当に必要な教育に力を注ぐためにも、重要でないことを減らしていきましょう。
本当に必要なことに注力する(第2領域)
本当に必要なことに注力するため、学校における「第2領域:緊急ではないが重要なこと」を考えてみましょう。
筆者が思いつく限り考えてみました。
本当に重要な業務・教育を考える時間
「本当に重要な業務は何か?」「本当に重要な教育は何か?」それをチームで考える時間が大事ではないでしょうか?
私は5年以上教師として働いてきましたが、こういったことを組織でじっくりと考えたことはほとんどありませんでした。
ですが、本当に重要なことを考える組織でなければ、イノベーションは起こらないし、業務改善だってされません。
意図的に時間を確保することが、学校改革につながるのではないでしょうか?
先生のゆとり・健康・学び
「教師=ブラック」という認識は、世の中にも大分広まってきたのではないでしょうか?
私も当時は90連勤、サービス残業月200時間とかありました。そして、心や健康を害して辞めた先生を何人も見てきました。
皆さんの学校では、「生徒のため」と言って、先生が体を壊すことはないでしょうか?
先生にゆとりある時間を作ることはって、確かに緊急性は低いかもしれません。ですか、忙しい日々の中で軽視されていいものではありません。
ですので、「先生自身のゆとりや健康」は間違いなく第2領域に入るものだと考えます。
また、時間にゆとりができれば、教師の学びや成長につながります。長期的に見れば教育効果だって高いでしょう。
生き方・働き方を考える「キャリア教育」
キャリア教育(=生き方・働き方を考える時間)も第2領域の代表的なものでしょう。
特に高校では、「忙しい」「進学重視」などの様々な理由で、本質的なキャリア教育ができていません。
各高校がやってるのは、大学に受かるため、進路を決めるための「出口指導」ばかりです。
一体どれくらいの学校で、自分の将来の生き方や働き方(キャリア)について正しい情報を与え、考えさせることができているでしょうか?
キャリア教育は時間管理マトリックスの第2領域に入る代表的なものです。少しでも多くの先生が重要性を感じていただければ幸いです。
まとめ
本記事では、「時間管理マトリックス」を用いた、「学校教育における課題を見える化する方法」を紹介しました。
まとめ
- 時間管理マトリックスでは、「緊急性」と「重要性」の2軸で考える
- 重要性の低い「第3・4領域」を減らす
- 本当に注力すべきは「第2領域:緊急ではないが重要なこと」
- 第2領域の例①:本当に重要な業務・教育について考える時間
- 第2領域の例②:先生のゆとり・健康・学び
- 第2領域の例③:生き方・働き方を考えるキャリア教育
以上です。ぜひ使ってみてくださいね。