全世界株投資で絶対に押さえておきたい鉄則の9箇条【第5話】
「投資で押さえるべき最低限のコツを知りたい!」
こんな疑問にお答えします。
投資はリスクがあるもの。
一歩間違えると成果が出ないばかりか、損が出て取返しのつかないことになります。
そこで本記事では、投資をするなら絶対に押さえておきたい鉄則の9箇条をお伝えします。
この9つのポイントをきっちり押さえれば、あなたの資産形成の成功率は間違いなく上がります!
ぜひお楽しみください。
本記事は全世界株投資「第5話」です。第4話はこちら↓
分散投資をすること
1つ目の鉄則は、分散投資をすること!
分散投資は、王道といわれる投資戦略の1つ。複数の銘柄へ少しずつ投資する方法です。
1つの銘柄に「集中投資」する方法は、ハイリスク・ハイリターン。大きなリターンが狙える一方、リスクも高くなります。
一方で「分散投資」をした場合、リターンが小さくなる代わりに、リスクも小さく抑えることが可能です。
分散投資VS集中投資
集中投資は、ハイリスク・ハイリターン
分散投資は、ローリスク・ローリターン
例えば、
・A社の株価 1,000円→2,500円
・B社の株価 1,000円→0円
このような相場では、どちらか片方の株へ集中投資するのは、ハイリスク・ハイリターンな方法と言えますね。
一方で、A社とB社の株を両方買った場合、
平均株価は「1,000円→1,250円」となります。
リターンが小さくなるかわりに、リスクも下がり、安定した運用ができるようになりました。
もしあなたが、「一攫千金のギャンブル」ではなく、「堅実な資産運用をコツコツしたい」と考えるなら、分散投資一択です!
投資の世界には、次のような言葉があります。
分散投資の名言
卵は1つのカゴに盛るな
卵を1つのカゴに入れておくと、もし落とした場合に全ての卵が台無しになってしまいます。しかし、あらかじめ複数のカゴに卵を分けて入れておけば、仮に1つのカゴを落としても、他のカゴの卵は影響を受けません。
つまり、投資先を分散して、大きなダメージを回避することが大事ということです。
この名言も、頭に入れておきましょうね。
分散投資は、1社より10社、10社より100社に投資した方が、効果は高まります。
もっと言えば、日本やアメリカといった「国全体」や、「世界全体」に広く分散できれば、極めて高い分散効果が期待できます。
インターネットや投資環境が整っていない時代では、こうした分散投資は不可能でした。
しかし今の時代は、「インデックス投資」という手法で、簡単に分散投資が実現できます。
これからの時代は、国や世界に分散投資をするのが基本!
中でもオススメは、世界中の株に広く分散する方法、全世界株投資です!!
この分散投資は、鉄則中の鉄則ですので、必ず押さえるようにしてくださいね。
長期投資をすること
2つ目の鉄則は、長期投資をすること!
運用期間が長くなればなるほど、投資で利益が出る確率は上がります。
先ほど、「分散投資はローリスク・ローリターン」という話をしましたが、
そうはいっても、株式はリスクが高い金融商品です。
株式のような「価格が変動するリスク資産」に投資した場合、短期的には負ける(=元本割れする)可能性があります。
こちらの図は、過去20年間の世界全体の株価の推移です。(出展:My Index)
青矢印が示すように、短期的には値下がりすることがありますね。
2008年のリーマン・ショックや、2020年のコロナショックでは、大きな暴落も起きています。
しかし、長期で見たらどうでしょう?
暴落のダメージを乗り越えて、株価が成長していることが分かりますね。
株価は時間とともに成長していく資産ですので、「運用期間が長くなるほど、勝てる確率も高くなる」という理屈になるのです。
もう1つ、有名なデータをお示しします。
過去のデータによると、米国株や全世界株に投資した場合、15年以上の長期投資をすれば、100%負けないという結果になっています。
(出展:ウォール街のランダムウォーカー)
この資料の通り、運用期間が長くなるほど、負ける確率が下がっていくことが一目瞭然ですね!
投資をするなら長期間が鉄則ですよ!
外国株式をメインに運用すること
3つ目の鉄則は、外国株式(全世界株式)をメインに運用をすること!
その理由はとてもシンプルで、大きなリターンが狙えるからです。
過去20年間の、平均リターンとリスクの値を見てみましょう。
過去20年間の平均リターンとリスク
- 新興国株 リターン7.9% リスク23%
- 全世界株 リターン7.9% リスク19%
- 日本株 リターン4.9% リスク17%
- 全世界債券 リターン4.9% リスク10%
- 日本債券 リターン1.5% リスク1.9%
- 日本国債 リターン0.8% リスク0.2%
- 日本円 リターンー0.3% リスク0%
出展:My Index(2021年8月データ)
こちらの一覧を見ると、外国株式(全世界株式)のリターンは、年間7.9%と、非常に高い数字を誇っていますね!
(最近は相場が良すぎるので、実際には年6~7%くらいになります)
ブラジルやインドなどの「新興国の株式」は、リターンは高いのですが、リスクが高過ぎます。
「日本株」は、リスクが高い割にはリターンが低いので、あまり魅力がありません。
そう考えると、これから投資を始めたい人にとっては、外国株式(全世界株式)がぶっちぎりでオススメ!
特に、資産の大部分を「安全な現金」で持っている人であれば、
なおさら、リターンが狙える「外国株」を組み込みたいものです。
「安全な現金+リターンが狙える外国株」は、シンプルかつ優秀な資産配分!
最初は、この形を目指すことから始めてみてください。
中盤からリスクを下げること
4つ目の鉄則は、中盤からリスクを下げること!
外国株式をメインで運用している場合、「暴落の恐怖」が常に付きまといます。
もしあなたが、
- まだ若く、長期の運用が可能
- 少額で投資をしている
- 余裕資金がある
こうした場合は、「外国株100%のイケイケ運用」で構いません。
しかし、
- 高齢で、長期の運用ができない
- 運用額が大きい
- 余裕資金がない
このような状況では、「リスクを下げた運用」が必要です。
具体的な年齢や金額を示すのは難しいのですが、私の体感では、
- 60歳以上
- 運用額500万円以上
このくらいになったら、リスクを下げ始めるのが良いと思います。
そこで役に立つのが、債券投資!
先ほどの表にあった通り、債券は、リターンとリスクのバランスが取れた、非常に優秀な投資先。
投資効率(シャープレシオと言います)だけを見れば、株式より債券の方が優秀です。
ですから、
投資序盤で「現金+外国株」の運用をしていた人は、
投資中盤から「現金+外国株+債券」の運用へステップアップすることで、
リスクを抑えた、より堅実な運用が可能になりますよ!
ちなみに、債券は「高額運用」が基本で、初心者には扱いづらい投資法です。
債券は株式のような大きなリターンは狙いにくく、効果を出すにはそれなりの金額が必要になります。
しかし、初心者にとって高額運用は怖いもの。
できれば、つみたてNISAなどを活用しつつ、少額でスタートしたいものですよね。
少額のうちは、外国株メイン。
中盤以降で、債券を組み込む。
これが、私がオススメしたい、最も理にかなった戦略だと断言します。
ちなみに、少額運用が基本の「つみたてNISA」と、高額運用が基本の「債券投資」は、相性最悪です。
(だから、そもそもつみたてNISAには債券ファンドが存在しないんです)
自分のステージに合わせて、リスクをコントロールしていきましょう。
(リスクについては、中級編で解説します)
つみたて投資・定期売却を活用すること
5つ目の鉄則は、つみたて投資・定期売却を活用すること!
先ほど、「分散投資でリスクを下げる」というお話をしましたが、分散投資には2つの方法があります。
分散投資は2つある
- 投資先を分散させる方法
- 時間を分散させる方法
「投資先を分散させる方法」は先ほど解説したので、
今回は、「時間を分散させる方法」をお伝えします。
購入タイミングを分散させる方法を、「つみたて投資」と言います。
100万円を「一括投資」するのではなく、毎月5万円を25回買うイメージですね。
投資の基本は「安く買って高く売る」ことですが、最安値を狙って買うのはまず不可能。
そこで役立つのがつみたて投資です。
購入タイミングを分散させることで、相場を見ずに、ストレスなく淡々と買い付けができます。
つみたて投資のデメリットは、一括投資に比べて高いリターンが得られなくなること。
しかし、そのデメリットを考慮しても、安全に購入できるメリットは強力ですよね。
しかも、つみたて投資では、「ドルコスト平均法」が発揮されます!
ドルコスト平均法とは?
ドルコスト平均法とは、一定のペースでつみたて購入することで、安い時に多く買い、高い時に少なく買うことができる投資法のこと
例えば、投資信託を毎月1万円つみたて投資するケースを考えます。
(投資信託の価格を「基準価格」と呼び、1万口(くち)あたりの金額を指します)
1ヶ月目は、価格が10,000円だったので、10,000口を買いました。
2ヶ月目は、価格が8,000円に値下がりしたので、多めに12,500口を買いました。
3ヶ月目は、価格が12,000円に値上がりしたので、少なめに8,000口を買いました。
このように、ドルコスト平均法を使えば、「安い時に多く買い、高い時に少なく買う」ことができるのですね。
まさに投資の理想形。
リスクを下げて、効率的に運用するためにも、「つみたて投資」を積極的に活用してください。
そして忘れがちですが、
時間分散は「買うタイミグ」だけではなく、「売るタイミング」でも有効です。
それが、「定期売却」
1,000万円を「一括で売却する」のではなく、10万円ずつ100回にかけて売却するイメージですね。
世の中では「つみたて投資」ばかりが注目されていますが、むしろ重要なのは「定期売却」。
というのも、投資終盤は運用額も大きな金額になりますから、買うとき以上に、リスクを下げる戦略が必要になるからです。
しかも、運用しながら売却することで、資産寿命も延ばすことができますよね。(詳しくは中級編で)
時間分散のススメ
- 一括投資よりも、つみたて投資の方が安全
- 一括売却よりも、定期売却の方が安全
投資では、「つみたて投資×定期売却」を基本とした戦略を立てて、
個人の状況に合わせて、一括投資や一括売却を活用していきましょう。
なお、iDeCo(個人型確定拠出年金)では、税金や社会保険料の都合で、定期売却が難しくなるケースがあります。ここは泣きたくなるほど複雑なので、中級編で詳しく解説しますね。
つみたてNISA・iDeCoも活用すること
6つ目の鉄則は、つみたてNISA・iDeCoも活用すること!
投資では、利益の約20%に税金がかかります。
仮に100万円の利益が出ても、20万円は税金でなくなっちゃうんですね。
そこで役立つのが、「つみたてNISA」や「iDeCo」です。
この2つを活用すれば、投資による運用益が非課税に!
100万円に税金がかからず、まるまる受け取れるイメージですね。
今後、「投資にかかる税金が増税される」という話もありますから、非課税制度は、有効に活用しましょうね。
なお、単純な非課税効果は、つみたてNISAよりもiDeCoの方が高いので、
「投資をするならiDeCoがオススメ!」
なんて話を聞くと思います。
しかし、iDeCoは税金の知識が必要なので、初心者にはオススメしません。
初心者は、とにかく投資に慣れること。
できるだけシンプルな方法を使うこと。
そう考えると、
初心者には、つみたてNISAが断然オススメですよ!
つみたてNISAで非課税制度を有効に活用して、次のステップとして「iDeCo」や「特定口座(税金がかかる普通の口座)」を活用しましょう。
リターンは年7%が限界と心得ること
7つ目の鉄則は、リターンは年7%が限界と心得ること!
よく、
- 「年利30%の高利益!」
- 「1年で資産が倍になる!」
なんてフレーズを耳にするかもしれませんが、これはただのギャンブルです。
一時的に大きなリターンを得ることができるかもしれませんが、長期でこの成績を出すことはまず不可能。
また、その分だけ高いリスクを負うことにもなります。
参考までにお伝えすると、
「世界一の投資家」と言われるウォーレン・バフェットでも、年22%という成績です。
世界一がこのレベルですから、「年30%の利益」と言っている時点で、相場が狂っていると気付いてくださいね。
私たちが期待するのは、最大でも「年7%」の成長率。
これは、世界の株価が年7%で成長しているから。
世界の成長とともに自分の資産を増やすのは、難しくありません。
しかし、世界の成長率を超えて、自分だけが利益を出すのは、激ムズです。
「投資のプロ」と呼ばれる人達でさえ、4人中3人が負ける世界ですからね…。
7%が限界値だと心に刻み、投資戦略を立てていきましょうね。
手数料を徹底的に抑えること
8つ目の鉄則は、手数料を徹底的に抑えること!
投資をやるうえで、手数料は非常に重要!
例え「1%」という小さな数字でも、
長期・高額で運用した場合、とんでもない金額に膨れ上がります。
もし、毎月6万円、年利6%で30年積立投資した場合、
1%の手数料=約1,100万円!!
このような、とんでもない数字になります。
今の時代、「ネット証券」で「インデックスファンド」を買えば、
運用手数料を0.3%以下に抑えることも可能です。
窓口で勧められる悪質な商品の場合、手数料2%とか、手数料3%になることも。
最悪の場合、手数料が高過ぎて、投資をすればするほど損することだってあります。
手数料を抑えるほど、投資の成功率は上がると思ってくださいね。
運用額を上げること
9つ目の鉄則は、運用額を上げること!
投資で大きな成果を出したいなら、運用額のアップは避けては通れません。
仮に10万円の運用をしても、1年の期待リターンはわずか7,000円。
これでは、人生に何の影響も与えることができません。
ですから投資では、最低でも500万円、できれば1,000万円くらいは運用していかないと、
効果を実感することが難しいのです。
ですから、
- 長い時間をかけてコツコツ育てていく
- まとまった金額を一括投資する
この2つの、どちらかの戦略が必要なのです。
もしあなたの運用額が2倍になれば、投資のリターンも2倍に。
もしあなたの運用額が10倍になれば、投資のリターンも10倍になります。
だから、投資の前に、投資の元手を手に入れること。つまり、
貯金・節約がものすごく重要なのです!
厳しく聞こえるかもしれませんが、投資元本を確保できないのなら、投資に手を出してもあまり意味がありません。
まずは堅実に、家計の改善や貯金に目を向けてください。
まとめ
本記事では、投資をするなら絶対に押さえておきたい鉄則の9箇条をお伝えしました。
投資をするなら絶対に押さえておきたい鉄則の9箇条
- 分散投資をすること
- 長期投資をすること
- 外国株式をメインに運用すること
- 中盤からリスクを下げること
- つみたて投資・定期売却を活用すること
- つみたてNISA・iDeCoも活用すること
- リターンは年7%が限界と心得ること
- 手数料を徹底的に抑えること
- 運用額を上げること
この9つのポイントをきっちり押さえれば、あなたの資産形成の成功率は間違いなく上がります!
どれも基本的な内容でしたが、めちゃくちゃ大事なポイントですので、ぜひマスターしてくださいね!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
次回はこちら↓