【超初心者向け】投資信託・インデックスファンド15のポイントとは?【第6話】
「投資信託・インデックスファンドって何?」
「どんなポイントを押さえるといいの?」
こんな疑問に答えます。
投資をやるなら、「投資信託(ファンド)」と「インデックスファンド」の理解は欠かせません。
しかし、初めての人にはなかなか難しいもの。
そこで本記事では、完全初心者でも分かるように、投資信託・インデックスファンドの15のポイントを解説します!
この15のポイントを押さえれば、基礎理解はばっちり!投資の成功率もぐっと高くなりますよ!
本記事は全世界株投資「第6話」です。第5話はこちら↓
この記事を書いている人
家計改善&運用アドバイザー / 中村俊也(なかむらとしや)
金融商品の販売をしない中立の立場から、生活費の削減方法や、長期的な資産運用の方法を教えている。ラジオ番組のレギュラーや、メルマガでの情報発信、セミナーなどを行っている。
投資信託は、プロにお任せで運用できる
1つ目のポイントは、「投資信託は、プロにお任せで運用できる」ことです。
投資信託とは、文字通り「投資を信じて託す」もの。
運用の専門家である「資産運用会社」にお金を預けることで、あなたに代わってプロが運用をしてくれます。
ですから、自分で企業分析をして株を選んだり、細かい相場を見る必要はありません。
あらゆる投資の中で、最も簡単!一般人にとって、この上なく現実的な方法と言えますね。
一度買ったらほったらかしでOK
2つ目のポイントは、「一度買ったらほったらかしでOK」なことです。
先ほど説明した通り、あなたに代わってプロが運用しているので、基本はほったらかしで構いません。
もちろん、投資信託を「買う時」は、どの会社の、どの投資信託を買うかを、自分でしっかりと判断する必要があります。
しかし、一度買ってしまえば、途中の細かい売買や操作は不要。
1年に1回、あるいは数年に1回くらいのペースで、たまにチェックするくらいで良いのです。
忙しい方にとっても、投資信託は楽チンですね。
100円から投資できる
3つ目のポイントは、「100円から投資できる」ことです。
いきなり数十万円の資金を投入する必要はなく、
まずは100円とか、1,000円単位で、気軽に投資がスタートできます。
「個別株」の場合、銘柄によっては「最低数十万円」が必要だったりします。
「不動産投資」の場合、「最低でも500万円」くらいは元手が欲しいものです。
それに比べると、投資信託はハードルが低く、初心者に優しい方法と言えますね。
たった1本で分散投資ができる
4つ目のポイントは、「たった1本で分散投資ができる」ことです。
前回お話した通り、投資の基本はリスクの低い分散投資!
しかし、株や債券を1つずつ分析して選んでいたら、時間がいくらあっても足りません。
そこで役立つのが投資信託。
たった1本買うだけで、数百、数千という株や債券に、簡単に分散投資ができるんです。
投資信託とは、言ってみれば「詰め合わせのセット商品」
1つの投資信託の中に、たくさんの株式や債券がセットで入っているイメージですね。
例えば、「日本株」がセットになった投資信託を買えば、
- トヨタ自動車
- ソフトバンク
- 三菱UFJ
- SONY
などなど、日本を代表する企業の株に広く分散投資ができるわけです。
個別の株を1つずつ買うより、よっぽど簡単ですよね。
投資の王道である分散投資が、超簡単にできるのが投資信託なのです。
株・債券・不動産などの種類がある
5つ目のポイントは、「株・債券・不動産などの種類がある」ことです。
例えば、
「日本の不動産を詰め合わせた投資信託」とか、
「アメリカの債券を詰め合わせた投資信託」とか、
「ブラジルやインドなどの新興国の株を詰め合わせた投資信託」とか、
いろんな種類があります。
ちなみに、不動産を詰め合わせたものをREIT(real estate investment trust、リート、不動産投資信託)と呼び、
複数の投資信託を組み合わせたものを「バランスファンド」と呼んだりします。
例えば、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」というバランスファンドは、次の8資産を含みます。
- 日本株
- 先進国株
- 新興国株
- 日本債券
- 先進国債券
- 新興国債券
- 日本不動産
- 外国不動産
バランスファンドは欠点も多いので手を出す必要はありませんが、こうした様々な投資信託の種類があることは知っておきましょう。
ちなみに、投資信託の数は、実に1万4,000本もあるそうです。(2021年時点)
この中から、自分が投資したい商品を選んでいきましょうね。
アクティブ型より、インデックス型を選ぶべし
6つ目のポイントは、「アクティブ型より、インデックス型を選ぶべし」ということです。
インデックスファンド(インデックス型)とは、インデックスという指数に連動する投資信託のこと。
アクティブファンド(アクティブ型)とは、指数(平均)を上回る成果を目指す投資信託のことです。
もう少し乱暴に説明すると、
インデックスファンドは平均点狙いで、
アクティブファンドはギャンブルだと思ってください。
もしあなたが長期投資をするなら、インデックスファンド一択でOK。
アクティブファンドは、特別な事情がない限り、手を出す必要はありませんよ。
インデックスファンドとアクティブファンドの違いを、もう少し説明します。
例えば、5つ株価が、次のような値動きだったとしましょう。
- A社 ー30万円
- B社 ー10万円
- C社 +10万円
- D社 +30万円
- E社 +50万円
アクティブファンドは、この中のどれかを狙うイメージ。
E社のように、大きなリターンを得る可能性がある一方、A社のように、大きな損失を受ける可能性もありますね。
これに対してインデックスファンドは、最初から平均点狙いです。
A~E社の全てをバランスよく購入するので、結果は平均の「+10万円」。
大勝ちもしない代わりに、大負けもしないので、
コツコツ堅実に運用したい人にとって、とても理にかなった投資法なのです。
しかも、長期間で見た場合、インデックスファンドの方がアクティブファンドより、圧倒的に成績が良いことが知られています。
短期的にはアクティブファンドが勝つことはあっても、
長期で平均点を上回るのは、プロでも難しいんですね。
しかも、アクティブファンドは手数料が高い!
投資のプロと言われるチームが、企業の分析を徹底的に行っていますので、どうしてもコストが高くなってしまうのです。
以上の理由より、投資信託はインデックスファンド一択でOKですよ!
指数に連動する
7つ目のポイントは、「指数に連動する」ことです。
こちらは、インデックスファンドの特徴ですね。
インデックス(経済指数)とは、簡単に言えば「モノサシ」です。
例えば「株式」の指数の中には、
「日本企業の株価全体を示すモノサシ」とか、
「アメリカ企業の株価全体を示すモノサシ」など、
様々な指数があります。
このモノサシを見れば、国全体、地域全体、世界全体の株価の動きを見るコトができるんです。
すごいでしょ?
株式だけでも、経済指数は山ほどあり、日本株で432種類、外国株で2,041種類、合計で2,471種類もの数があります。(My Indexの検索結果より 2021年9月調査)
「そんなにあったら調べきれないよ!」と思うかもしれませんが、
知っておきたい指数は、次の5つくらいです。
覚えておきたい株式指数ベスト5!
- 日経平均株価(日経225):日本企業の株価を示す
- TOPIX(トピックス):日本企業の株価を示す
- NYダウ平均株価:アメリカ企業の株価を示す
- S&P500:アメリカ企業の株価を示す
- MSCI ACWI:世界企業全体の株価を示す
よくニュースで話題になる「日経平均株価(日経225)」や「TOPIX(トピックス)」は、日本全体の株価を示す指数、
「NYダウ平均株価」や「S&P500」は、アメリカ全体の株価を示すようなものです。
この4つは、Yahoo!のトップページに表示されるくらい有名な指数ですから、一般教養として知っておきたいですね。
さて、TOPIXやS&P500も良いのですが・・・
私がオススメするのは、「全世界株投資」!
つまり、見るべきは、世界企業全体の株価を示す経済指数、
「MSCI ACWI(オールカントリー・ワールド・インデックス)」です!
(エムエスシーアイ、アクウィーと読みます)
「なんじゃそりゃあ!!??」と叫びたくなると思いますが・・・、
実はコレ、超有名な経済指数。
世界の株式市場の、上位85%をカバー。
まさに、世界経済のベンチマーク(指標)と言える、超有名な経済指数なのです!
私自身、投資している資産の大部分を、この指数に連動するように運用しています。
全世界株投資をするなら、MSCI ACWIは絶対に押さえておきましょうね。
シンプルで分かりやすい
8つ目のポイントは、「シンプルで分かりやすい」ことです。
投資の鉄則は、「分からないものに手を出さないこと」
証券会社などでオススメされる商品は、中身がよく分からない商品ばかり。
運用だって、実際にどう行われているか分かりません。
その点、インデックスファンドは「指数に連動する」というシンプルな商品なので、
誤魔化しがきかず、極めて分かりやすい商品です。
景気が良ければ値上がりして、
景気が悪ければ値下がりする。
ただそれだけです。
このシンプルさが、投資ではとっても大事ですよね。
手数料がかかる
9つ目のポイントは、「手数料がかかる」ことです。
投資信託は、プロに運用を任せているのですから、当然手数料がかかります。
手数料は投資の成績に直結しますから、
良い証券会社、良いインデックスファンドを選んで、手数料は徹底的に抑えましょうね!
投資信託の手数料は、次の3つです。
投資信託の3つの手数料
- 購入時の手数料:「販売手数料」→ゼロを選ぶ
- 運用時の手数料:「信託報酬」→0.5%以下を選ぶ
- 売却時の手数料」「信託財産留保額」→ゼロを選ぶ
近年、インデックスファンドの手数料はどんどん下がってきているので、
今なら、「販売手数料」と「信託財産留保額」はゼロの商品が当たり前になってきました。
そうすると注目は「信託報酬」なのですが、
信託報酬も、0.5%以下に抑えることも十分可能ですよ。
なお、iDeCo口座で運用する場合、iDeCo独特の手数料がかかるので、そうしたコストにも気を付けてくださいね!
手数料には敏感に!
つみたてNISA・iDeCoで買える
10個目のポイントは、「つみたてNISA・iDeCoで買える」ことです。
投資をするなら、
運用益が非課税になる「つみたてNISA」や、
大きな節税効果が期待できる「iDeCo(個人型確定拠出年金)」を、
賢く活用しましょう。
つみたてNISAやiDeCoは、言ってみれば「箱」であり、
この中に、「自分で選んだ投資信託」を入れて運用するイメージを持ってください。
初めての人にとっては、このあたりが複雑で分かりにくいのですが、
投資信託は「金融商品」で、
つみたてNISAやiDeCoは、金融商品を入れるための「口座」ですから、
間違えないようにしましょうね。
つみたてNISA対象ファンドは金融庁お墨付き
11個目のポイントは、「つみたてNISA対象ファンドは金融庁お墨付き」なことです。
投資信託は1万4,000本程度あるのですが、
その中でも、つみたてNISAの対象となっている投資信託は、たったの201本です!
(出展:金融庁「つみたてNISA対象商品の概要について」(2021年10月25日時点))
この201本は、金融庁の厳しい審査を突破した商品であり、私たち消費者にとって、安心できる投資先と言えるのですね。
参考までに、金融機関別の、つみたてNISA商品数ランキングを示します。
金融機関別 つみたてNISA商品数ランキング
- 第1位 SBI証券 166本
- 第2位 松井証券 160本
- 第3位 楽天証券 156本
- 第4位 auカブコム証券 150本
- 第5位 マネックス証券 149本
- 第6位 SMBS日興証券 147本
- 第7位 フィディリティ証券 37本
- ・・・
- 第15位 三菱UFJ銀行 12本
- 第15位 ゆうちょ銀行 12本
(出展:モーニングスター「つみたてNISA総合ガイド」2021年1月データより http://nisa.morningstar.co.jp/)
このように、つみたてNISAが認可されている投資信託の数は、金融機関によって全く異なります。
(だから、証券会社選びが大事なのです!→オススメはSBI証券か楽天証券!)
ちなみに、
銀行最大手の「三菱UFJ銀行」には、投資信託が505本、
「ゆうちょ銀行」には、投資信託が124本ありました。(2022年1月筆者調査)
しかし、金融庁の認可を受け、「つみたてNISAに適格」と判断された投資信託は、
たったの「12本」です。
少なっ!
窓口で販売されている投資信託は、ヤバイ投資信託ばかりだと思ってくださいね。
そういった意味でも、「つみたてNISA対象商品から選ぶ」というルールを決めておけば、
こうした失敗をしなくてすみますね。
まずは、つみたてNISA対象商品から、インデックスファンドを選んでみましょう。
分配金を受け取らずに複利効果を出す
12個目のポイントは、「分配金を受け取らずに複利効果を出す」ことです。
分配金とは、投資信託の収益から、投資した本人に返ってくるお金のことを指します。
銀行預金の場合は「利子」、
株式の場合は「配当金」と呼ぶのに対して、
投資信託では「分配金」と呼びます。
名前が違うだけで、ほとんど同じ意味だと思ってOKですよ。
さて、この分配金には、実は注意点があります。
投資信託には、
- 分配金が出ない商品
- 分配金がたまに出る商品(年1回など)
- 分配金が頻繁に出る商品(月1回など)
この3つがあります。
あなたは、どれが良いと思いますか?
普通に考えれば、「分配金が頻繁に出る方が良いでしょ!」と思うかもしれません。
しかし、そこが落とし穴!
分配金を受け取るほど、投資のパワーが下がっちゃうんです!
ですから、基本的には「分配金が出ない商品」をオススメします。
(つみたてNISA対象商品は、ほとんどが「分配金なし」の商品です)
「分配金を受け取る」ということは、「投資信託の資産を減らす」こととイコールです。
例えば、投資信託の資産額が100万円で、5万円の分配金を出したら、資産は95万円に目減りしてしまいますよね?
もしあなたが「長期」で「つみたて投資」をしたいのなら、戦略はむしろ逆。
100万円→150万円→200万円といった具合に、資産額をアップさせるのが正解です。
ですから、分配金はできるだけ受け取らない方が良いのですね。
また、利益が出ている場合はまだ良いのですが、
最悪なのは、利益が出ていないのに分配金が出るケース。
100万円投資して、値下がりして90万円になってしまったのに、なぜか5万円の分配金を受け取れる・・・
「やった!5万円ゲット!」
と思うかもしれませんが、これは、自分が投資した資産を切り崩しただけ。
分配金が出る分、運用成績はどんどんん悪化しますから、
分配金が頻繁に出る投資信託=悪質な商品
だと思ってくださいね!
特に、「毎月分配型」の投資信託は、はっきり言って詐欺レベル。
毎月運用成績が下がっていき、手数料がどんどん抜き取られていく悪質な商品ばかりですから、
十分に注意してください。
分配金をたまに受け取る場合(年1回など)は、分配金を受け取ってすぐに再投資することで、複利運用のパワーを出すことができます。
投資信託の設定で、「分配金再投資」という設定にしておけば、自動で再投資ができますよ。
ただし、「分配金なし」の場合に比べると、実は投資パワーは小さくなってしまいます。
というのも、税金がかかるから。
分配金再投資では、利益分を「売却して」、「すぐに購入」しているわけですから、
売却時には、利益に対して20.315%の税金がかかってしまいます。
ですから、理想は分配金を受け取らない戦略がオススメです。
分配金についてまとめます。
分配金のポイント
- 理想は「分配金なし」を選ぶこと(つみたてNISAはほとんどがコレ)
- 「分配金あり 年1回」を選んだ場合は、分配金再投資の設定をすること
- 「毎月分配型」の投資信託は絶対に選ばない
倒産しても大丈夫
13個目のポイントは、「倒産しても大丈夫」なことです。
投資信託では、販売会社・運用会社・信託銀行といった、関連会社が複数が関わっています。
こうした関連会社が倒産した場合、あなたの資産はどうなるでしょうか?
結論は、倒産しても大丈夫!
あなたが預けた資産は「全額が保障」されますから、仮に関連会社が倒産しても大丈夫です。
安心して運用ができますね。
おススメのWEBサイト My Index
14個目のポイントは、「おススメのWEBサイト My Index」を押さえておくことです。
投資信託・インデックス投資をやるなら、このWEBサイトは欠かせません。
https://myindex.jp/
こちらのWEBサイトでは、
- 世界中のインデックスのデータを見れる
- リスクとリターンが調べられる
- ポートフォリオの資産ができる
- 投資の勉強ができる
などなど、インデックス投資に関するあらゆる情報が記載されています。
私は、リスクとリターンの値を調べる時はまずこのサイトを見ていますので、
ぜひみなさんも使ってみてください。
おススメ書籍 敗者のゲーム
15個目のポイントは、「おススメ書籍 敗者のゲーム」を読んでおくことです。
本書の主張は、
「低コストのインデックスファンドに投資せよ」
という、実にシンプルなもの。
インデックス投資の哲学を理解するために、これ以上ないと言っていいくらい有名な名著です。
もしあなたが投資をするなら、この1冊だけは絶対に読んでください。
まとめ
本記事では、完全初心者でも分かるように、投資信託・インデックスファンドの15のポイントを解説しました!
投資信託・インデックスファンドの15のポイント
- 投資信託は、プロにお任せで運用できる
- 一度買ったらほったらかしでOK
- 100円から投資できる
- たった1本で分散投資ができる
- 株・債券・不動産などの種類がある
- インデックス型とアクティブ型がある
- 指数に連動する
- シンプルで分かりやすい
- 手数料がかかる
- つみたてNISA・iDeCoで買える
- つみたてNISA対象ファンドは金融庁お墨付き
- 分配金を受け取らずに複利効果を出す
- 倒産しても大丈夫
- おススメのWEBサイト My Index
- おススメ書籍 敗者のゲーム
この15のポイントを押さえれば、基礎理解はばっちり!投資の成功率もぐっと高くなりますよ!
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
次回はこちら↓