「将来の夢が分からない」高校生に伝えたいキャリア発達理論とは
本記事は、「将来の夢が分からない」高校生に伝えたい「キャリア発達理論」を解説します。
将来の夢(なりたい仕事)が分からない高校生の皆さん、全然大丈夫です。
将来の夢(なりたい仕事)を子どもに聞いてしまう大人の皆さん、やめましょう。
なぜなら、夢を掴むために必要となる「個人の価値観」は30歳前後で定まるからです。
本記事では、専門的なキャリア発達理論を分かりやすく解説します。将来の夢や仕事について正しい知識を身に着けていきましょう。
※この記事では「将来の夢=なりたい仕事」という意味で説明します。
高校生にとって「将来の夢」が分からないのは当然
高校生にとって「将来の夢」が分からないのは当然です。
その根拠となるキャリア発達理論を詳しく見ていきましょう。
キャリア発達理論とは
キャリア発達理論とは?
発達段階(年齢)に応じてキャリアの考えも発達するという理論のこと。
例えば、こんな小学生いませんか?
将来の夢は宇宙飛行士かサッカー選手!
こんな感じで、純粋に憧れを口にしますよね。幼い頃は、まだ自分の能力や社会の現実を客観的に見ることができないからです。
ギンズバーグという人物は、この時期を「空想期(=ファンタジーの時期)」と呼んでいます。だいたい11歳まで続くそうです。
中学生になると徐々に現実を見始めるようになり、非現実的な夢を語ることも少なくなるわけです。
ですが、思春期・反抗期真っ最中の11~15歳くらいは心が不安定な時期です。まだまだ現実を理解することは難しいものです。
16歳ごろから現実と向き合い始める
16歳くらいが、いよいよ本格的に現実と向き合い始める時期です。
ギンズバーグはこの時期を「現実期」と呼んでいます。日本ではだいたい高校1・2年生の時期ですね。
高校生にもなると、ほとんどの人が幼い頃の非現実的な夢を口にしなくなりますよね?これは悪いことではなく、ごく自然な成長です。
しかし、まだ現実を見始めたばかり。社会の仕組みや自己に対する理解だって十分に深まっていません。
ですから、ほとんどの高校生が
夢って何?将来なりたい仕事なんて分からないよ~
みたいな感じになります。
キャリアの世界では「初級キャリアは霧の中」という言葉があります。
そう、高校生って霧の中で進む方向が分からず、迷子になってるんですよ。
だから、「将来の夢」や「なりたい仕事」が分からないなんて、ごく自然なことなんです。
しかも、日本の学校教育は社会と閉ざされており、社会や職業キャリアについて考える機会が少ないですからね・・・。
先生や保護者の方へ、
高校生くらいの子どもに対して「将来の夢」や「やりたい仕事は何?」と聞くのはNGです!
価値観は30歳前後で固まる【キャリア・アンカー】
16歳頃から始まった価値観の探索は、その後の人生経験・社会経験を積むことで、徐々に明らかになってきます。
そして、個人の価値観は30歳前後で固まると言われています。
エドガー・シャインという人物が、この定まった価値観をキャリア・アンカーと名付けています。
アンカー(anchor)は船の錨(いかり)という意味です。錨が船を固定するように、アンカーはその人の軸となる「ブレない価値観」を表します。
このブレない価値観は30歳くらいまで定まらないんですね。
となると、15~18歳くらいの高校生が「自分がこうなりたい!」とか「この仕事に就きたい!」のが分からないのは当然と言えますね。
まとめ
本記事では、「将来の夢が分からない」高校生に向けて「キャリア発達理論」を解説しました。
結論
1、16歳くらいで現実と向き合い始める
2、高校生は霧の中で迷子になっている。将来の夢やなりたい仕事が分からないのは当たり前。
3、価値観は30歳前後で固まる(キャリアアンカー)
現時点で夢や仕事がなくてもいいのは分かった。じゃあ、これからの進路をどうすればいいの?
って人のために、進路の掴み方を次の記事で解説します。