講座満足度が2倍に上がる!?アクティブラーニング技法とは

「『ワーク』を取り入れて講座満足度を上げたい!」
そんな講師や先生はいませんか?
中には、60分とか120分の講座を、「ず~っと解説し続ける」講師の方がいますが、長い話を聞くのは大変です。
そこで挑戦して欲しいのが、講座に「ワーク」を入れること!
ワークを入れることで、
- 講座にメリハリがつき、集中力がアップ!
- 学習の理解度・定着度もアップ!
- 講座満足度・理解度もアップ!
こんなメリットがあります。
本記事では、高校教師+大学教師として8年間アクティブ・ラーニングを『嫌というほど』やってきた筆者が、ワーク(アクティブラーニング技法)を紹介します。
この記事を読むと、ワークの重要性やコツが分かり、より満足度の高い講座ができるようになりますよ!
ぜひ、できる部分からチャレンジしてみてください。
※本記事の内容は、2022年5月10日、静岡市産学交流センターで講義をしました。
ワークが必要な3つの理由
ワークが必要な理由を3つ紹介します。
理由1 ワークは学習効果が高い

解説を聞くより、ワークの方が学習効果が10倍高い!
上の図は、「学習定着率」を比較したデータです。(アメリカ国立研究所 ラーニングピラミッド より)
実は、「講義を聞く」という行為にはほとんど学習効果がなく、学習定着率は「たった5%」しかないと言われています。その場では「分かったつもり」になっても、実際にはすぐに忘れてしまうんですね。これ、めっちゃ分かる・・・^^;
一方で、
- 「討論する」と、学習定着率は50%!
- 「体験する」と、学習定着率は75%!
- 「人に教える」と、学習定着率は90%!
なんと、話を聞くより10倍以上の学習効果があります。
やはり、インプットよりアウトプットの方が、学習効果が大きいんですね。
このように、学習効果を高めるという意味でも、ワークを入れるのが効果的だと分かります。
理由2 教育現場が活動中心に

ワークが必要な2つ目の理由は、教育現場の変化です。つまり、
「先生が解説する」というスタイルから
「生徒が活動する」というスタイルへ
教育現場の常識が変化しているってことです。
今の中高年の方は、生徒が活動する「アクティブラーニング」のスタイルに慣れていないと思いますが、今の10代はこちらが常識。この常識についていけないと、どんどん時代遅れになっちゃいますね。
理由3 コスパ重視の時代

ワークが必要な3つ目の理由が、
時間のコスパを重視する時代になった
ということです。
今の若い世代は、「テレビよりスマホを見る」と言いますよね?(私もそうです)
同じドラマを見る場合でも、スマホなら、
- いつでも、
- どこでも、
- 好きなものを、
- 繰り返し、
- 倍速再生や、
- 飛ばしながら見れて、
- シェアもできる
これができるんです。このスマホ慣れした若者からすると、
テレビってめちゃくちゃ不便。時間のコスパが悪いんです。
もっと言うと、
話を聞くだけなら、YouTubeでいいじゃん。
と思ってたりします。
だから、60分や120分の講義をずっと話し続けるおじさんって、若者からすると、正直「残念」だったりするんですね。積極的にワークを入れましょう。
満足度を上げるワーク 5つのコツ
続いて、ワークのコツを5つ紹介します。
コツ1 ワークの時間を確保する

ワークの満足度を上げるコツ、1つ目は、時間を確保することです。
よく、「解説が長すぎてワークの時間が短すぎる」ということがありますが、あれはNG。
ワークの学びを深めるためにも、できるだけ時間を確保しましょう。
イメージとしては、全体の持ち時間のうち、最低でも3分の1、できれば2分の1はワークの時間にするといいですね。
私が以前勤めていた高校では、「解説3分:ワーク57分」というケースもあったほど。先生の話す時間は超少なかったのですが、ワークが非常に深まり、非常に高い満足度となりました。
時間を確保しましょう!
コツ2 ワークの説明は超短く

ワークの満足度を上げるコツ、2つ目は、説明は超短くすることです。
実はこれ、「乾杯の挨拶」と同じ。
「長い話はいらないから、早くビール飲ませてくれ」って思いますよね。
ワークの説明もこれと同じで、できるだけ短い方が良いんです。
教育界では「7分ルール」と言いますがが、「ワークの説明はどんなに長くても7分以内にする」のが良いとされています。
ワークの説明は、乾杯の挨拶だと思いましょう。
コツ3 解説の前に、一度困らせる

ワークの満足度を上げるコツ、3つ目は、解説の前に、一度困らせることです。
講師が一生懸命話しても、受講者はたいして真剣に話を聞いていません。
だから、一度困らせましょう。
とりあえずワークをやらせてみて、「あれ?これってどうやるの?困ったぞ」と言う状態にさせれば、話を聞く態度が急変します。
よく、解説→ワークという流れで講座を組む講師がいますが、むしろ逆。
ワーク→解説という流れで組みましょう。
コツ4 グループは3人がベスト

ワークの満足度を上げるコツ、4つ目は、グループは3人がベストということです。
グループは人数が多いほど1人当たりの発言量が減り、ワークの深みがなくなります。
何より、人数が多いと時間がかかります。
1人5分間で話すワークなら、
3人グループなら「15分」で終わりますが、5人グループなら「25分」もかかります。これでは講座時間が足りません。
ですから、理想は3人グループ。特別な事情がなければ、5人以上のグループは避けましょう。
※なお、ペアワークは相性の問題などもあり、ややリスキーです。重いワークは避け、軽いワークだけにしましょう。
コツ5 グループワーク技法を使う

ワークの満足度を上げるコツ、5つ目は、グループワーク技法を使うことです。
例えば、
- アイスブレイク:場を和まし、打ち解けるためのワーク
- ブレインストーミング:とにかくアイデアを出すワーク
- think-pair-share:個人ワーク→ペアワーク(グループワーク)→発表でシェアという流れ(最も基本の技法)
- シャッフル:途中でグループメンバーを入れ替える手法
- ジグソー法:グループを組み替え、教え合いながら学習する手法(やや難。効果は絶大)
- KJ法:ふせんなどにアイデアを書き出していく手法
こうした手法は、ぜひ使えるようになっておくと良いですね。
まとめ
今回は、「講座満足度が2倍に上がる!?アクティブラーニング技法とは」というテーマでお届けしました。

ワークを入れると、受講者の満足度アップなど、メリットがたくさんあります。
簡単にできるものばかりですから、ぜひ講座に取り入れてみてくださいね。