高校キャリア教育について語ってみた(トークイベント記録#1)

2021年2月9日、「高校キャリア教育について語ってみる」というトークイベントを実施したので、高校キャリア教育について、あれこれ語ってみました。
この記事では、話したこと、思ったことを備忘録的に書いてみます。
- 高校キャリア教育に興味がある!
そんな人におススメです。
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高校生と向き合って日々思うこと(キャリアカウンセリング)
1つ目のテーマは、「高校生と向き合って日々思うこと」です。
高校生ってとっても悩む時期ですよね。
勉強のこと、友達のこと、親のこと…その中でもやっぱり進路や将来の悩みって大きいんじゃないかと思います。
そんなとき、周りに「相談できる大人」がいたらいいですよね。
そう、その「相談できる大人」が私達!高校キャリア教育の現場で支援するアドバイザー!
普通、高校生が相談する大人って、「親」とか「先生」ですよね。
だけど、親や先生は身近すぎるし、相性が悪いことだってあるはず。
そんな時、「キャリアの専門家に安心して相談できる」ってとっても良いことだと思っています。
そんなこんなで、高校生の悩みに寄り添う私たちが、お互いの悩みや考えを語ってみました。
高校生と向き合ってて思うことは、言語化ができていないこと。
私って何がしたいんだろう・・・
価値観ってなんだろう・・・
こうした気持ちが、まだしっかりと言葉にできていないんです。
だから、相談にのってあげて、その気持ちを聞いてあげるとか、言葉にする作業を一緒にしてあげる。
これ、とっても大切。
せっかくキャリアコンサルタントが3人もいたので、ちょっと理論的な話もしました。
自分の価値観を確立していくことを、キャリアの発達とか自己概念の成長と言うらしいです。
高校生くらいの年齢では、まだまだ自分の価値観の探索が始まったばかり。
ここで、自分としっかり向き合ったり、社会を見たり、誰かに話を聞いてもらったり、成功体験&失敗体験を積んだり…
こうした積み重ねで、自分の中にある価値観はどんどん発達するようです。
悩んでる高校生がいたら、まず話を聞いてあげて、悩みや価値観、大切にしたいことはっきりさせる。
そんな作業を、一緒にやってあげるって大切なんですね(^^♪
カウンセリングだけじゃダメ!
一方で、カウンセリングだけじゃダメだ!なんて声もありました。
というのも、若い人は社会を知らない!
世の中にどんな仕事があるのか?
業界って何?職種って何?BtoBって何?雇用形態って何?
こうした現実を知らない状態で「あなたは何がしたいの?」って聞いても、やっぱり限界がある!
現場で働く人は、みんなこんなことを感じているようです。
世の中には、1万7000の職業と、400万の会社があります。
いったい、この中のどれだけの仕事を知っているでしょうか?
知ってる仕事はせいぜい1%ぐらいで、
99%の仕事は、存在すら知らないはず。
大人だって知らない仕事は山のようにあるし、営業とか、マネジメントとか、自分に何ができるかなんて、分からないことばかりです。
高校生ならなおさら。
だから、高校生の見ている世界だけで、彼らの価値観を引き出すのってやっぱり難しい。
となると、10代の高校生に「やりたいことを見つけよう!」「あなたの夢は何?」って聞くのって無茶ですよね?
・・・と言ってみたら、
「わかる~!」
「ほんとそれ!」
って感じで、みなさん共感の嵐。
やっぱり、高校生に「夢」や「やりたいこと」を押し付けるのはちょっと無茶がある。これはみんながひっそりと感じていたようです。
ある本では、これを「ドリーム・ハラスメント」と呼んでいます。
夢を押し付けるのはダメだ!なんて書かれた本ですので、ぜひ読んでみてください。
夢=職業 じゃない!
「夢」や「やりたいこと」を考える上で大事なのは、夢=職業じゃない!ってことです。
夢っていうのは、
- 幸せに暮らしたい
- 結婚して家庭を築きたい
- マイホームを持ちたい
- 海外旅行で世界中を見たい
- 友達と楽しく過ごしたい
- イルカと一緒に泳ぎたい
みたいに、自分のかなえたい希望のようなものです。
けっして、「消防士になる!」「医者になる!」のように、職業を指すものではないですよね。
「やりたいこと」も同じ。
多分、「あなたは何になりたいの?」って子どもに聞いちゃう大人たちは、「やりたいこと=職業」になっちゃってる。
これってめっちゃあるあるですよね・・・。僕も昔はやっていました。
特に今の時代は、先が見えないし、正解のない世の中。
しかも、人生が100年もあるらしい。
やりたいことは複数あっていいし、
途中で変わってもいい。
これは「LIFE SHIFT」など、様々な本の中でも述べられてますね。
たった1つの「夢」や「やりたいこと」にこだわる必要はないんです。
では、実際の進路支援の現場では、生徒たちを導くためにどんなことをしたらいいのでしょう?
参加者の方から「抽象化ワーク」という方法を紹介してもらいました。
これは、「興味のある仕事」を、「興味のある理由」に抽象化するというもの。
例えば、「消防士の仕事に興味がある」という人がいたとしましょう。
このとき注目するのが、「消防士」という仕事ではなく、「なぜ消防士に興味をひかれるのか」という理由。
これが、仕事の抽象化です。
これをやると、
- だれかの役に立ちたい
- 安心して暮らしたい
- 不自由なく自由な人生にしたい
といった、心の奥にある価値観と向き合うことができるみたいです。
これ、かなり使えそうですね!
ぜひ私も取り入れてみたいと思いました。
先生だけじゃなく、外部の力が大切
学校は、外部の力が入りにくい不思議な世界です。
キャリア教育はどうしても先生の力に委ねられていますが、
先生の力だけで様々な人生を歩む子供たちを導くのはやっぱり難しいですよね。
参加してくださった現場の先生も、
「学校の先生だけでキャリア教育なんて無理だよ~!」
なんて話していました。
さてそうなると、職業とかキャリアについて話せる「外部人材」が上手く学校に入ることが効果的です。
学校の先生だけだと、どうしても「合格がゴール」になりがちです。
現場では、やっぱり大学進学の実績が必要だし、
就職試験でも、なんとか生徒たちを合格させないといけません。
しかし、進学や就職はあくまで「人生の通過点」
大切なことは、卒業後の人生も幸せに歩んでいけること。
だから、合格を目指すキャリア教育に疑問を感じている人はたくさんいます。
卒業後の人生を見据えた本質的なキャリア支援ができれば、キャリア教育はきっと良いものになるでしょう。
さて、そうなると、外部人材を学校に呼び込む仕組みが必要ですが、
これが超難しい。
先生方はめちゃくちゃ忙しいし、
外部人材を呼ぶための予算もありません。
このへんが、学校教育の問題点なんですね。
では、外部の人材はどのようにお金を生み出し、学校に関わっていけばいいのでしょうか?
このテーマは、↓の記事で解説しています!
では、今回はこのへんで。
悩みを共感してくださる方は、ぜひTwitterなどでつながってくださいね。(プロフィールはこちら)
ありがとうございました~(^^♪